きんじすとろふぃー
筋ジストロフィー
手足を動かす筋肉の組織が徐々に壊れていく病気の総称
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最終更新: 2022.07.10
筋ジストロフィーの基礎知識
POINT 筋ジストロフィーとは
手足を動かす筋肉の組織が徐々に壊れていく病気です。筋肉を作る働きをもつ遺伝子の異常が原因です。診断を確定するために、血液検査・針筋電図・遺伝子検査・組織診などが行われます。現在完治を望める治療法はありませんが、ステロイド薬・リハビリテーションに病気の進行を遅らせる効果が期待できます。力が入らない・手足の筋肉が萎縮する・よく転ぶなどの症状が出た場合は医療機関にかかってください。その際は脳神経内科にかかることをおすすめします。
筋ジストロフィーについて
- 手足を動かす筋肉の組織が徐々に壊れていく病気の総称
- 筋肉をつくる働きをもつ遺伝子に生じた異常が原因
- 頻度
罹患率 は、年間10万人に対して7人- 小児
発症 のものと、成人発症のものがある
- 分類(詳細はそれぞれの疾患を参照)
- デュシェンヌ型筋ジストロフィー:3-7歳前後の男児に多く、大きい筋肉(太ももなど)から徐々に筋肉が壊れていく
- ベッカー型筋ジストロフィー
- 福山型先天性筋ジストロフィー
- 筋強直性ジストロフィー など
- デュシェンヌ型が最も頻度が高い
筋ジストロフィーの症状
- 分類によって
症状 は異なるが、共通して次のような症状が見られる- 力が入らない
- 手足の筋肉の
萎縮 - 立ち上がる際に、手を膝の上について体を支えながら立ち上がる症状が特徴的(登はん性起立(
ガワーズ徴候 )) - また初期の症状として、よく転ぶことがある
筋ジストロフィーの検査・診断
- 血液検査
- 筋肉が壊れているか、他に脱力感の原因がないかなどを調べる
- 筋原性
酵素 (筋肉が壊れて出る酵素)が上昇- CK(クレアチンキナーゼ),
- AST、ALT、
LDH など
針筋電図 - 筋肉の電気の流れを調べる
- 遺伝子検査
- 遺伝子情報を調べ、筋ジストロフィーに特有の変化を確認する
組織診 - 筋肉の一部を採取して、顕微鏡で変化を確認する
筋ジストロフィーの治療法
- 未だ、完治を望める治療法はない
- 進行を遅らせるために
ステロイド薬 が用いられる - リハビリテーション
- 日常生活に必要な機能や能力を練習し、
症状 の悪化するスピードを遅らせることが目的
- 日常生活に必要な機能や能力を練習し、
- 病気について知っておくべきこと
- 手先、足先の筋肉は比較的最後まで動かすことができる
- 動けている状態のうちから、車椅子で生活できるように家の改修など生活環境の調整を行うことが必要
- 呼吸するための筋肉が弱ってしまうと、人工呼吸器が必要になる