ふくやまがたせんてんせいきんじすとろふぃー
福山型先天性筋ジストロフィー
一般的な筋ジストロフィーの筋肉の症状に加え、精神遅滞やけいれんなど中枢神経症状を伴う種類のこと。
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最終更新: 2022.02.28
福山型先天性筋ジストロフィーの基礎知識
POINT 福山型先天性筋ジストロフィーとは
一般的な筋ジストロフィーの症状に加えて、精神遅滞やけいれんなどの症状をともなう病気のことです。日本人に多いとされています。生まれたときから筋力の低下や筋緊張の低下、関節拘縮(関節の固まった様子)が見られます。福山型筋ジストロフィーが疑われる人に対しては、血液検査や画像検査(頭部CT検査、頭部MRI検査など)、遺伝子検査などによって診断が行われます。根本的な治療法は確立されておらず、症状を緩和することが治療の目的になります。具体的には、リハビリテーションや栄養療法などです。福山型先天性筋ジストロフィーの人の診療は小児科や脳神経内科で行われます。
福山型先天性筋ジストロフィーについて
福山型先天性筋ジストロフィーの症状
- 主な
症状 - 生まれたときから筋力の低下や筋肉の緊張の低下、関節
拘縮 がみられる - 多くは運動、知能の発達の遅れから症状に気づくことが多い
- 生まれたときから筋力の低下や筋肉の緊張の低下、関節
- 運動発達の遅れ
- 首が座る:平均8ヶ月(通常3、4ヶ月)
- 座っていられる:平均2歳(通常6〜7ヶ月)
- ハイハイができる程度まで発達することが多い(約7割)
- 歩行ができる人はまれにいるが一般的には難しい
- 筋肉のバランスが不良であるため、関節が動く範囲が狭くなりやすい
- フロッピーインファント(筋肉の緊張度が低下してやわらかくなり、カエルのような特徴的な姿勢になる)
- 関節拘縮(肩、肘、股間節、膝、足首の硬さが目立つ)
- ししゃものように肥大したふくらはぎ(仮性肥大)
- 部分けいれん
発作 (脳の一部分に起きる発作が多い)
- 特徴的な顔
- ぽかんと空いた口
- ふっくらとした頬
- 口周りがたるみ、よだれが多い
- 長いまつげ
- 大きな目
- 中等度以上の
知能障害 がみられ、単語のみの会話が多い
福山型先天性筋ジストロフィーの検査・診断
- まず知能や運動の発達の遅れや
症状 の経過から福山型先天性筋ジストロフィーを疑う - 血液検査:筋肉が壊れているかどうかなどを調べる
- 画像検査:脳の神経の通り道(白質)に異常がないかなどを調べる
頭部CT 頭部MRI
- 遺伝子検査:遺伝子情報を調べ筋ジストロフィーのタイプを調べる
- 確定診断に役立つ
- 病状の進行に伴い、各臓器の機能を見るための検査を適宜行う
福山型先天性筋ジストロフィーの治療法
- 根本的な治療は難しく、進行を緩和する治療がとられる
症状 に合わせて薬物療法とリハビリテーションを行う- 飲み込む力が弱いため、経管栄養または
胃ろう (皮膚に穴を開けてチューブを通し、胃に直接栄養を送る方法)を行う - 生まれたときから関節が固まりやすいため、早期から予防するリハビリテーションが大切
- 関節が固まると介助が重くなる
- また、年齢が進むにつれて呼吸機能が弱くなるため、人工呼吸器を使用する
- 咳をする力が弱くなることにより痰が出しづらくなるため、痰を出すための機械を使用し、リハビリテーションをする
- 飲み込む力が弱いため、経管栄養または
福山型先天性筋ジストロフィーが含まれる病気
福山型先天性筋ジストロフィーのタグ
福山型先天性筋ジストロフィーに関わるからだの部位
