せいぶんかしっかん
性分化疾患(DSD)
染色体や生殖器的な性が、定型的ではない先天性の疾患
6人の医師がチェック 107回の改訂 最終更新: 2019.02.05

性分化疾患(DSD)の基礎知識

POINT 性分化疾患(DSD)とは

染色体や生殖器が典型的な発達をしない病気のことです。先天性副腎皮質過形成やクラインフェルター症候群、アンドロゲン不応症、ターナー症候群などさまざまな病気が含まれます。性分化疾患が疑われる人にはホルモンの状態や遺伝子異常が詳しく調べられ、原因に応じて治療が行われます。性分化疾患は小児科や内分泌内科、産婦人科、泌尿器科などで診療が行われます。心配な人は相談してください。

性分化疾患(DSD)について

  • 染色体や生殖器的な性が、定型的ではない先天性の疾患
  • 以下のように分類される
    • 46,XY DSD
      • 以前は男性仮性半陰陽と呼ばれた
    • 46,XX DSD
      • 以前は女性仮性半陰陽と呼ばれた
    • ovotesticular DSD卵巣精巣性性分化異常症
      • 以前は真性半陰陽と呼ばれた
      • 卵巣と精巣の両方をもち、性器も両方の形を備えている場合

性分化疾患(DSD)の症状

  • 主な症状
    • 性器の形の異常や、発育不良
  • 症状の説明
    • 生まれたときに、性器の形の異常で診断されることが多い
    • 思春期の第2次性徴が遅れる
    • 第2次性徴が現れなかったり、男性なのに乳房がふくらんでくるなどの典型的でない形をとることがある
    • 第2次性徴を迎えても、性器の発達は未熟であることが多い

性分化疾患(DSD)の検査・診断

  • 身体診察
  • 血液検査:性ホルモンの測定などを行う
  • 染色体検査:染色体に異常がないか調べる
  • 画像検査:卵巣、精巣の形などを調べる
    • 腹部超音波検査
    • 腹部CT検査
    • 腹部MRI検査

性分化疾患(DSD)の治療法

  • 主な治療
    • 薬物治療
      • 不足しているホルモンを補充する
  • 長期的な経過
    • 社会的、心理的対応
      • 性分化異常症と分かったら、その後の人生について、男性として生きるのか、女性として生きるのか、それ以外の生き方を選択するのかについて、本人および周囲が考えていく必要がある
    • 専門医や専門カウンセラーと十分に話し合った上で、長期的な方向性を相談し、考えていくことが重要

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