そうきょくせいしょうがい(そううつびょう)
双極性障害(躁うつ病)
躁うつ病とは、うつ病に加えて、躁病の症状もある状態。
10人の医師がチェック 143回の改訂 最終更新: 2017.12.06

Beta 双極性障害(躁うつ病)のQ&A

    経頭蓋磁気刺激療法(TMS)とはどんな治療法ですか?

    うつ病や躁うつ病の治療に頭蓋骨の外から磁気刺激を脳に与え、脳の神経細胞を刺激して抗うつ作用をもたらす経頭蓋磁気刺激療法(TMS)があります。同じように脳の神経に刺激を与える電気けいれん療法(ECT)がありますが、経頭蓋磁気刺激療法(TMS)の方がより安全で入院することなく治療ができるため注目を浴びています。(現在、日本では保険適応外の治療法になります)

    うつ病の方は、脳の一部で血流や代謝が低下しており、脳の活動が低下している可能性が高いです。それに対して扁桃体(へんとうたい)と呼ばれる脳の深部にある感情を司っている部位が過剰に活動している場合が多いとされてます。

    また扁桃体の機能をコントロールしている背外側前頭前野(はいがいそくぜんとうぜんや)と呼ばれる脳の前方にある部位の機能が低下する場合が多いことが知られています。この部位は物事を判断したり、意欲や興味を持つために重要な役割を担っており、これらの機能が損なわれることがうつ病の症状と関係があると考えられています。

    そこで経頭蓋磁気刺激療法(TMS)を用いて背外側前頭前野(はいがいそくぜんとうぜんや)を刺激することによって、脳の活動を回復つつ二次的に扁桃体の過剰な働きを抑えることによってうつ症状を改善させます。

    治療時間は30-50分程度で、1週間に1-3回の頻度で行われています。施設によって異なりますので診察時にご相談ください。副作用は治療中に刺激による頭痛などがありますが、重篤な後遺症はないと言われています。

    TMSの治療の効果についてはまだ研究段階であり、現状のところ実施できる施設も限られています。費用も自己負担になってしまうため担当の医師と相談のうえ治療方針を決めることが大切になります。実施しているクリニックによってはカウンセリングを受けられる場合があるので活用されると良いかと思います。

    双極性障害(躁うつ病)とは?

    双極性障害は、躁(そう)とうつの状態の期間が交互になって周期的に繰り返される病気で「躁うつ病」とも呼ばれます。双極性障害は症状が良くなっても再発しやすいため、再発を防ぐ、もしくは再発時の症状を軽くするためにも、医師の判断のもと薬物治療など治療を続けることが大切です。

    双極性障害(躁うつ病)の経過、予後について教えてください

    双極性障害の経過は、一般的に躁病エピソード(躁状態の期間)とうつ病エピソード(うつ状態の期間)以外にどちらの状態でもない期間(寛解期間)があり、各期間を繰り返します。寛解期間は病前と同じ水準で生活をおくれる状態まで回復します。

    一般的に個人差はありますが、躁病、うつ病のそれぞれの期間は、数週間~数か月、4か月から1年と言われています。

    基本的に双極性障害の予後は不良で、ほとんどの方が再発を繰り返します。ですので、双極性障害の治療を行い症状が回復しても再発予防のために薬による治療を継続する必要があります(維持療法)。

    再発を繰り返すたびに、躁状態とうつ状態の持続期間が長くなる一方で、症状がない寛解期間が短くなってしまったり、また急速交代型(ラピッドサイクリング)や混合型(躁とうつが混合している状態)に陥ることがあります。

    • 急速交代型とは、躁状態、軽い躁状態、うつ状態、混合型が次から次へと移行し繰り返す状態で、治療が難渋しやすい(1年に4回以上エピソードが起きると定義される)

    • 混合型とは、気分はうつである一方で、考えや行動は躁の状態。気分は落ち込んでいるが行動は活発でじっとしてられないなど

    また、自分が病気であることを自覚できないことも多く、そのために治療を正しく行うことが難しい場面も少なくないです。その際は主治医を中心とした医療チームや周囲のサポートが必要となります。

    双極性障害は再発しやすいため、適切に予防薬を服用することが大切です。長期にわたって薬を飲み続けるのは簡単ではないですが、自己判断で中断することは危険ですので、担当の医師と治療方針をよく相談するようにしましょう。