かれいおうはんへんせい
加齢黄斑変性
網膜の中心部分(黄斑)が年齢とともに変化する。物が歪んで見えたり失明したりする
8人の医師がチェック 204回の改訂 最終更新: 2017.06.15

Beta 加齢黄斑変性のQ&A

    加齢黄斑変性とはどんな病気ですか。

    目の奥のカメラのフィルム部分である網膜の中心部に、一番視力に影響する黄斑という部分があります。加齢黄斑変性とは、加齢により黄斑の色素上皮細胞に障害が生じ、見ようとするところが見えにくくなる病気です。 高血圧、心臓病、喫煙、栄養状態、遺伝などが関与し、日本人の増加は平均寿命の延長、生活習慣の欧米化、TVやパソコンによる光刺激が一因であることが指摘されています。日本では50歳以上の0.7%にみられ、男性の発症率は女性の発症率の3倍高いといわれています。

    加齢黄斑変性はどんな風に分類されますか。

    大きく分けると萎縮型と滲出型の2つに分けられます。 萎縮型は加齢により網膜の細胞が変性し、ドルーゼンと呼ばれる老廃物が蓄積して栄養不足に陥ります。その結果、網膜色素上皮が徐々に萎縮していき、網膜が障害され、視力が徐々に低下して行く病気です。進行が緩やかなので気づかない人もいます。しかし、時間の経過とともに滲出型へ移行することもあるので、定期的な眼科受診をする必要があります。 滲出型は異常な血管、脈絡膜新生血管が脈絡膜から網膜色素上皮の間に侵入して網膜が障害される病気です。新生血管は正常な血管と非常にもろい破けやすい血管で、出血したり、血液の成分が漏れたりします。血液の成分が漏れると網膜が腫れたり、網膜の下に液体が溜まります。そのために網膜が正しく働かなくなり急激に視力が低下します。血管が破れると出血となり、網膜を障害します。

    加齢黄斑変性の症状は、どんなものがありますか。

    中心部がゆがんでみえるような変視症があります。周辺部はゆがまず、正常に見えます。さらに障害がすすんでいくと見えている物の中心が欠けて見える中心暗点や、視力低下を生じて行きます。全体的にものが不鮮明に見えるコントラスト感度の低下もみられます。さらにすすんでいくと色が分からなくなり、色覚異常を伴います。

    加齢黄斑変性はどうやって診断しますか。

    まずどのような症状がでているか、問診させていただきます。その後、視力検査、細隙灯鏡検査(レンズを使い、帯状の光を目に当てて、目の病気を調べる検査)、瞳孔(黒目の部分)を広げる薬を使い、目の奥の眼底を確認させてもらいます。眼底にある網膜の出血、むくみなどを確認します。そのとき、眼底カメラで写真を撮影し、記録したり、光干渉断層計(optical coherence tomography:OCT)といって、眼底組織の断層写真を調べたりすることもあります。

    加齢黄斑変性のその他の診断方法について教えて下さい。

    可能であれば、眼底の血管の造影検査も施行します。蛍光色素を腕の静脈に注射し、眼底カメラで眼底の血管の異常を検査します。新生血管があるかどうか、新生血管からもれた血液があるかどうかなど確認します。検査では必要に応じてフルオレセインとインドシアニングリーンと2種類の造影剤を用いります。

    加齢黄斑変性の治療はどんなものがありますか。

    滲出型では血管造影検査で脈絡膜新生血管の位置を判定し、黄斑を含むかどうかによって治療を分けます。 黄斑を含む病変を持つ場合は、抗血管新生療法もしくは光線力学療法が実施されます。

    加齢黄斑変性の治療法「抗血管新生療法」について教えて下さい

    抗血管新生療法とは、体の中に脈絡膜新生血管の成長を活発化させるVEGFという血管内皮増殖因子があります。このVEGFの働きを抑える薬剤を眼内に注射することにより、新生血管の増殖や成長を抑制する治療法です。注射後は定期的な検診により、注射を追加するかどうか決定していきます。

    加齢黄斑変性の治療法「光線力学療法」について教えて下さい

    光線力学療法は、光に反応する薬剤を体内に注射したあとに、病変部にレーザーを照射する治療法です。弱いレーザーによって薬剤を活性化させ、網膜へのダメージを抑えながら、新生血管を退縮させます。断続的に行う治療法で、定期的に行う検査の結果より、必要に応じて、再度光線力学療法を実施します。 初回は抗血管新生療法を行うことが多いですが、必要に応じて両方を併用することもあります。 また、黄斑を含まない場合はレーザー光凝固で治療をします。新生血管をレーザー光で焼き固める治療法です。正常な周囲の範囲の組織にもダメージを与えてしまう問題点があります。

    加齢黄斑変性のその他の治療法について教えて下さい

    萎縮型や、加齢黄斑変性の前駆病変に対して、定期的な眼科受診と予防的治療、ライフスタイルと食生活の改善、Age-Related Eye Disease Study(AREDS) Research Groupに基づくサプリメント摂取を推奨治療としています。一般に前駆病変や萎縮型加齢黄斑変性に対しては、現在のところ治療方法に確立されたものはありません。しかし、滲出型へ移行する可能性があるため、定期的な受診をすることで、早期発見することができます。ライフスタイルと食生活の改善については、日本人において喫煙歴と加齢黄斑変性発症との関連が証明されており、喫煙は加齢黄斑変性の発症に関わると考えられています。また欧米では、抗酸化物質を多く含む食物摂取によって加齢黄斑変性のリスクが軽減することが明らかになっています。高用量のビタミンC、ビタミンE、βカロチン、亜鉛の内服によって視力低下のリスクを低下させると言われており、それらのサプリメント摂取についても推奨されています。

    加齢黄斑変性は予防できますか。

    ライフスタイルと食生活の改善については、日本人において喫煙歴と加齢黄斑変性発症との関連が証明されており、喫煙は加齢黄斑変性の発症に関わると考えられてます。禁煙は予防の一つにあげられます。また欧米において抗酸化物質を多く含む食物摂取によって加齢黄斑変性のリスクが軽減することが明らかになっていますので、抗酸化物質を多く含む食品を摂取することが勧められています。欧米では高用量のビタミンC、ビタミンE、βカロチン、亜鉛の内服によって視力低下のリスクを低下させると言われており、それらのサプリメント摂取についても推奨されています。

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