肥満と頭痛には関係があるのか？

1.肥満と片頭痛の関係について

普通の体重の人たちよりも、肥満の人たちの中では片頭痛を持っている人の割合が高かったという報告¹⁾や、普通の体重の片頭痛の患者よりも、肥満で片頭痛の患者のほうが、片頭痛の発作の頻度が多く、痛みの強さも激しかったという報告²⁾があります。

いずれの研究でも、BMI（体重[kg]÷身長[m]の2乗）の数値が大きい人のほうが、悪い結果が出る傾向が見られました。

これらの研究ではBMIが25未満の人が普通の体重に分類されています。また、肥満に分類されたBMI30以上の人に対しても、これら2件の研究だけで確実な結論を出すことはできません。

ただし、BMI30以上の肥満は片頭痛以外のさまざまな面で健康に悪い影響を及ぼします。片頭痛との関係は別としても、BMI25未満程度の範囲に体重を維持しておくことが望ましいと言えます。

参考文献
1) Obesity is a risk factor for transformed migraine but not chronic tension-type headache. Neurology. 2006 Jul 25 [PMID 16864817]
2) Obesity and migraine: a population study. Neurology. 2006 Feb 28. [PMID 16354886]