2016.08.02 | ニュース

肩こりで頭が重くて痛い…緊張型頭痛に針治療は効く?2016年初までの研究状況

文献の調査から

from The Cochrane database of systematic reviews

肩こりで頭が重くて痛い…緊張型頭痛に針治療は効く?2016年初までの研究状況の写真

針治療(鍼)が痛みを和らげる効果は、さまざまな場面で試され、実際の治療として使われています。肩こりから来るとされる緊張型頭痛に対して、針治療がこれまでの研究でどんな結果を出しているかが調査されました。

◆2016年2月までの文献を検索

ここで紹介する研究は、過去の研究報告を集める方法で、緊張型頭痛に対する針治療の研究状況をまとめたものです。

研究班は、文献データベースの検索により、最も新しいもので2016年2月10日までの範囲を調べて関係する研究報告を収集しました。

 

◆針を打った人の半分で頭痛の頻度が半減

採用基準を満たす12件の研究が見つかりました。

12件のうち針治療と偽の針治療を比較した4件の研究のデータをまとめると、次の結果になりました。

針治療を受けた参加者のうち、治療後の391人中205人(51%)で頭痛の頻度が50%以上減少し、対して偽針治療のグループでは312人中133人(43%)だった(リスク比1.3、95%信頼区間1.09-1.5、4件の研究、中等度の質のエビデンス)。ランダム化から6か月後の結果は類似していた。

針治療を受けた人の51%で、頭痛の頻度が半分より少なくなり、偽の針治療よりも改善していると見られました。ただし、6か月後には針治療をしたグループと偽の針治療をしたグループで大きな違いがなくなっていました。

副作用にあたる有害な出来事について次の結果がありました。

3件の試験が、有害事象を報告した参加者の数を報告していた。針治療群では174人中29人(17%)、偽針治療群では103人中12人(12%、オッズ比1.3、95%信頼区間0.60-2.7、低い質のエビデンス)。

針治療のグループで、統計的に偽の針治療よりも有害な出来事が多いとはいえないというデータが得られました。

 

緊張型頭痛に悩んでいる人は多く、薬などの治療もありますが、薬の使い方を間違えば薬物乱用頭痛を引き起こしてしまう場合もあります。針治療が役に立つ場面もあるかもしれません。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Acupuncture for the prevention of tension-type headache.

Cochrane Database Syst Rev. 2016 Apr 19.

[PMID: 27092807]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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