◆インターネットで54,283人にアンケート
この研究は、オーガニックフードを食べる習慣がある人が、どんな特徴を持った人なのかに着目して行われました。
研究班は、インターネットを通じた質問票による調査のデータを使い、54,283人の参加者の中で、オーガニックフードを普段から食べる人と、オーガニックフードを食べない人を比較して、食習慣や健康状態に違いがあるかを調べました。
◆男性では2型糖尿病、高血圧が少ない
次の結果が得られました。
非オーガニック食の人に比べて、通常オーガニック食の人は菜食主義者であることが多く(女性でオッズ比9.93、95%信頼区間7.42-13.29、男性でオッズ比13.07、信頼区間7.00-24.41)、肉の消費量についての栄養学的ガイドラインを知っていることが少なかった(女性でオッズ比0.37、信頼区間0.34-0.40、男性でオッズ比0.41、信頼区間0.36-0.47)。非オーガニック食の人に比べて、通常オーガニック食の人は2型糖尿病、高血圧、心血管疾患のリスクが低かった。しかし、この効果は男性でだけ有意だった。対して、オーガニック食の人は食物アレルギーを報告することがより多かった。
オーガニックフードを普段から食べる人のうちでは、オーガニックフードを食べない人に比べて、菜食主義者が多く、また肉の消費量についてのガイドラインを知らない人が多い傾向が見られました。また、オーガニックフードを食べる人では食物アレルギーがより多く、普段からオーガニックフードを食べる男性では2型糖尿病、高血圧などが少なくなっていました。
オーガニックフードを食べる習慣は、食習慣全体の中で、健康とも関係しうるひとつの特徴と言えるのかもしれません。
なお、この研究は、どんな食習慣や病気のリスクを持っている人がオーガニックフードを食べるかという観点から行われており、オーガニックフード自体が健康を増進するかどうかを主張するものではありません。
執筆者
Health and dietary traits of organic food consumers: results from the NutriNet-Santé study.
Br J Nutr. 2015 Dec
[PMID: 26429066]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。