2023.01.06 | コラム

原因から考えよう! 今すぐできるドライアイ対策

ドライアイの主な原因を知り、それらに応じた対策をしましょう

原因から考えよう! 今すぐできるドライアイ対策の写真

ドライアイという病名を聞いたことがある人も多いと思います。ドライアイはその不快感のため悩んでいる人も多く、日本には約2200万人の患者さんがいるとされています[1]。特に、現代の仕事や学習環境はドライアイの原因となるものが多くあります。もちろん、ドライアイの原因には避けられないものもありますが、避けることが可能な原因もあります。また、予防だけでなく、紹介する対策で軽いドライアイの症状が改善することも期待できます。

そこで、この記事では避けることができる原因を取り上げ、自分でできるドライアイ対策を解説します。

 

ドライアイとはどういう状態か

ドライアイは、涙が乾きやすくなったり、涙の出る量が少なくなったりすることで、目の違和感や白くぼやけて見えるなどの症状が出る状態です。ドライアイはその強さが人によって異なるため、同じパソコン作業をしても全く症状が出ない人もいれば、逆に少しの時間でドライアイ症状が強く出る人もいます。

 

ドライアイの原因

ドライアイにはさまざまな原因がありますが、現代の生活環境の中でよく言われている原因は次の2つです。

 

  • 原因①コンタクトレンズの使用
  • 原因②パソコンやスマホの長時間使用

 

他にも、食べ物に含まれるオメガ3脂肪酸やオメガ6脂肪酸もドライアイに関連があると言われています。例えば、オメガ3脂肪酸に対してオメガ6脂肪酸の摂取量が多いとドライアイ発症のリスクを高めると報告されています[2]。

 

日頃できるドライアイの対策

眼科では、目薬や手術などによって、涙の質を整えたり、量を増やしたりすることでドライアイを治療します。

しかし、中には日頃の環境にひと工夫するだけで症状が治まることもあります。そこで、原因別にその対処方法を考えてみましょう。

 

原因①コンタクトレンズの使用
→メガネに変えるか、コンタクトレンズを1日使い捨てのレンズにする

コンタクトレンズはドライアイの症状を強くすることがありますし、中にはコンタクトレンズをしてからドライアイを生じる人もいます。もちろん、コンタクトレンズよりもメガネにしたほうがドライアイにはなりくいです。そのため、ベストの対策としてはメガネがオススメとなります。しかし、ドライアイの症状があっても、コンタクトレンズを使いたい人は少なくありません。

そこで、ドライアイの症状が出にくいとされるコンタクトレンズについても解説します。

 

コンタクトを使いたい人は何を選べばいい?

コンタクトレンズには大きく2種類あって、ソフトコンタクトレンズとハードコンタクトレンズに分けられます。以前は、保水性の高さからハードコンタクトレンズのほうがドライアイになりにくいとされていました。しかし、現在は素材などが改良され、ソフトコンタクトレンズでも保水性の優れる商品が登場し、ドライアイの人でも選択肢として考えられるようになっています。ですので、ソフトコンタクトを選ぶときは、保水性の高い商品を選ぶようにしてください。

なお、ソフトコンタクトレンズには1日使い捨て、2週間交換、1か月交換などがあります。このうち1日使い捨ては、レンズに汚れが付いていないなどの理由から目のトラブルが起きにくく、トラブルから二次的に生じるドライアイも起こりにくいと考えられます。

1日使い捨てのコンタクトレンズは他のコンタクトレンズよりも費用がかかりますので、複数日使えるレンズのままで洗浄を徹底してみるというのも一つの手です。しかし、2週間交換のコンタクトレンズから1日使い捨てに変えただけでドライアイの症状が改善してきた人も筆者は見てきました。コンタクトレンズを使いたいけれどドライアイの症状にお悩みの人は、保水性の良い、1日使い捨てのコンタクトレンズを試してみてはいかがでしょうか。

 

原因②パソコンやスマホの長時間使用
→パソコンやスマホを見る時間、ゲーム時間を短くする

物を集中して見ているとき、まばたきの回数が減るためドライアイ症状が強く出ることが予想されます。また、その時間が長い場合はドライアイ症状が出やすいとされています。

このような状況に陥りがちなのが、パソコン作業やスマートフォンの利用です。よって、理想的にはできる限り画面を見る時間を減らすと良いです。しかし、仕事などでどうしても画面を見る必要があると思います。

そこで、アメリカ眼科学会が眼精疲労対策で推奨している「20-20-20ルール」を、ドライアイ症状を抑えるためにも使うと良いでしょう。20-20-20ルールは20分間画面を見たら、画面から目を離して20秒間20フィート(5-6m)先を見ることです。一時的に画面から目を離すことで、まばたきが増えて目の乾きが軽減されます。

仕事や勉強などで画面を見ているときも、20分間に1度は目を休める「20-20-20ルール」を行うようにしましょう。意識的にまばたきを増やしてみるのも効果的です。

 

ドライアイに良い食事はあるか?

残念ながら、これを食べればドライアイが治るという食材は見つかっていません。しかし、海外の女性を対象とした研究で、オメガ3脂肪酸を多く含む食材をよく食べる人のほうがドライアイになりにくかったという報告があり、オメガ3脂肪酸を豊富に含む食材を食べることが対策になるかもしれません。

オメガ3脂肪酸を多く含む食材として、脂肪が多い魚(サケ、マグロ、マスなど)や甲殻類(カニ、ムール貝、カキなど)のような海産物があります。また、植物油(セイヨウアブラナ、大豆)などにも含まれています。なお、オメガ3脂肪酸はサプリメントとしても入手することはできますが、効果は明確に確認できていません[3]。

とはいえ、日本人は魚を日常的によく食べるので、十分に食べている人は無理にオメガ3脂肪酸が多い魚や甲殻類を取らなくても良いと思います。逆に、上に挙げた魚や甲殻類を食べていない人は、バランスの良い食事という観点からも、無理のない範囲で食事の一品として取り入れることをお勧めします。

 

このように、ドライアイには日常的にできる対策があり、こうした工夫だけでドライアイの症状が軽くなる人もいますし、症状自体が解消する人もいます。

しかし、ドライアイの症状が強い人、対策を試してみても改善がない人は、他の病気が隠れている可能性もありますので眼科を受診してください。

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

▲ ページトップに戻る