2020.09.08 | コラム

コロナと戦う医療関係者に感謝!! withコロナ時代の中で誰に何を感謝をすれば良いのか?

医療関係者とは医療現場で働く人すべてを指します。
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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が話題をさらっている昨今では、「医療関係者に感謝しよう」という動きが少なからず見られています。実際のところ、感染のリスクを顧みずに現場で医療に専念する人たちなくして、新型コロナウイルスと戦うことはできません。

医療関係者の正体

ところで「医療関係者」という言葉を聞いてぱっと浮かぶのはどんな人でしょう。ほとんどの人はお医者さんか看護師さんを思い浮かべているのではないでしょうか。医療ドラマでは登場人物のほとんどが医師や看護師ばっかりですし、白衣を着ている人は頭に浮かびやすいというのも理由の一つと思います。

では、「医師と看護師がいれば医療は回るのか」といえばそうではありません。薬を調剤する薬剤師やリハビリを行うセラピスト(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、視能訓練士)、検査などや医療機器を扱うスペシャリストである医療技師(臨床工学技士、義肢装具士、診療放射線技師、臨床検査技師)など、患者にとって大きな役割を担っている人たちは多数存在します。そしてこれらは国が定めた資格を有して初めてなれる職業になります。

 

医療に関連する国家資格いろいろとありますが、その一例をあげてみます。

 

【医療系国家資格の例】

  • 医師
  • 歯科医師
  • 歯科衛生士
  • 薬剤師
  • 看護師
  • セラピスト(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、視能訓練士)
  • 医療技師(臨床工学技士、義肢装具士、診療放射線技師、臨床検査技師)
  • 救急救命士

 

名前を聞けば何をしている人なのかなんとなく想像がつく人も多いかもしれません。これらの職種の人は各々が医療の一翼を担って働いているわけですが、資格を取得するには業務に伴う知識を持っていることが必要です。また、国家試験を受験するためには専門的な教育を一定期間受けることも必要です。つまり、資格を取得するためには時間と労力を要するということになります。

 

国家資格を持っている人だけが医療関係者なのか

さきほど例にあげた職種の人達が医療関係者であるのは間違いないのですが、はたして医療関係者は他にもいないのでしょうか。

解釈は一律ではないと思いますが、国家資格を持っている人以外にも医療関係者は存在します。例えば、患者さんの移動や身の回りのことをサポートしてくれる看護助手や食事を作ってくれる人たち、受付や事務をこなす人たちなど枚挙にいとまがありません。新型コロナウイルスへの感染リスクがある中でも院内を掃除してくれる人がいなくなったら、不衛生による弊害が出現するのは確かですし、院内クラスターの発症率は上昇してしまうかもしれません。そんな未来を想像するだけでも自分は恐ろしいです。

そもそも医療関係者は「医療に関係する人」という意味ですので、医療現場で働く人はみな該当すると考えて良いと思います。彼ら彼女らがいなければ医療機関は成り立たないわけですし、医師や看護師ばかりが医療を担っているというわけでは決してありません。

 

コロナと戦う医療関係者の思い

少し個人的な話になりますが、医師である自分の周りには医療関係者が多く存在します。みんないろいろな医療現場で仕事をしているわけで、彼らの働く医療現場には感染症のリスクが常に存在しています。

医療現場で働いている人は新型コロナウイルスに恐怖を覚えていないのかというとそうではありません。何人かの友人に尋ねてみたところ、「新型コロナウイルスは怖いし、自分が感染することで周囲に迷惑をかけたくない。」という答えが返ってきました。医療関係者だって生身の人間なのだから当然のことです。そんな思いを感じつつ仕事をこなす人たちには、同僚として敬意を覚えますし、頼もしくも感じます。

苦しむ人が目の前にいたらなんとかしてあげたいなと思うのが人情です。医療関係者は患者が良くなることを願って働いているものですし、元気に退院していく患者の背中を見送るときは嬉しさが湧いてくるものです。新型コロナウイルスの恐怖が世論を席巻していますが、だからこそなんとかしたいと思っている医療関係者がほとんどです。

 

コロナ禍だからこそみなさんと医療関係者が感謝しあえる世の中に

さて、感染症と感染症以外の病気の違いはなんでしょう。いくつか違いをあげることはできますが、感染症は伝染することによって患者の数がどんどん増えるというのが大きく異なる点だと思います。だからこそ自分だけでなく社会全体を考えての予防が重要視されるわけです。

まだ記憶に新しいですが、日本国では2020年4月に緊急事態宣言が出されました。感染者の急増を防ぐことが狙いでしたが、宣言下における生活の窮屈さは誰もが感じたところではないでしょうか。一方で、医療現場の混乱は喫緊の問題となっていました。混乱の原因は主に2つあり、「医療機関に入院する患者が急増し医療資源を圧迫したこと」と「新型コロナの特徴や医療にあり方についてまだ手探り状態だったこと」があげられます。

こうした経験を踏まえて、医療関係者は現場で全力を尽くしつつ、医療資源の枯渇を防ぐために俯瞰した視点も持つように行動が変容してきています。また、第一波の経験が蓄積させた知見から、新型コロナに対する医療のあり方が確立しつつあります。

さらに、医療関係者ではない一般の人についてもこの知見が活きています。つまり、withコロナ時代の生活のあり方がだいぶ見えてきているというわけです。もはや合言葉のようになっている「3密を避ける」生活を送ることはとても重要ですし、向き合って食べるよりは並んで食べたほうが感染リスクが低くなるということもだんだんと分かってきたことです。

 

新型コロナウイルスは高齢者や心臓や肺などに持病がある人にとって脅威となるのは確かですが、若い人や健常な人であっても重症化しますし、場合によっては亡くなったりもしています。また、感染が治癒しても後遺症が残ってしまうこともあるので、コロナにかかっても大丈夫と言える人はいないです。医療機関のキャパシティの問題といった広い視野で考えるとなかなか実感が湧きにくいですが、自分や周囲の人を守る意味で予防に努める身近な視点は忘れないようにしていきたいです。

 

全世界で総力をあげてワクチン製造が急がれており、その効果が期待されていますが、どの程度予防効果があるかは未知数です。少なくとも現状のwithコロナ時代の中では医療関係者の現場での頑張りと非医療関係者を含めたみんなの予防行動が重要になっています。医療関係者に感謝しようという風潮は素敵な流れと思いますが、個人的には我々医療関係者もみなさんの予防行動に感謝するべきと感じています。どちらも「当たり前のことではない」わけですから至極当然ではないでしょうか。

窮屈な時代だからこそ、他人の努力に感謝する世の中でありたいものです。

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。