補助治療による帯状疱疹後神経痛予防の効果
中国の研究班が、帯状疱疹の痛みを抑える治療によって帯状疱疹後神経痛を予防する効果があるかについて文献の調査を行い、結果を専門誌『Pain Physician』に報告しました。
この調査は過去に報告されている内容を集めて評価したものです。
帯状疱疹の診断後14日以内の患者を対象として、痛みの補助治療(プレガバリン、ガバペンチン、アミトリプチリン、神経ブロック、電気刺激など)を行い、標準的な治療と比較して、皮疹が現れてから3か月後の帯状疱疹後神経痛の有無を報告した研究を対象としました。
抗ウイルス薬の効果、ステロイド薬の効果を調べた研究は調査範囲から除きました。
神経ブロックなどで予防効果あり
9件の試験が採用されました。3件は全身の補助治療(プレガバリン、ガバペンチン、アミトリプチリン)を試していました。6件は神経ブロックなどの処置を試していました。
9件のデータを統合すると、全体として3か月後に帯状疱疹後神経痛があった割合は0.53倍に減っていました。神経ブロックなどの処置の研究6件に限ると、3か月後の帯状疱疹後神経痛があった割合は0.45倍に減っていました。
神経ブロックなどの補助治療を早期から使うことにより、帯状疱疹後神経痛の発生率を減らすことができると見られました。
治療に関連する合併症として、軽度の低血圧、声の変化、飲み込みの障害、眠気、頭痛などが報告されていました。
全身の補助治療には、帯状疱疹後神経痛を予防する効果はないと見られました。
帯状疱疹後神経痛は予防できる?
帯状疱疹後神経痛の予防についての研究を紹介しました。帯状疱疹の治療を検討する際にこの調査を参考にできるかもしれません。
帯状疱疹後神経痛は長期にわたる場合もあり、治療の効果が十分に現れず困る人もいます。既存の治療法も研究によって慎重に吟味され、最適なものを選ぶ努力が続けられています。
執筆者
The Effect of Early Use of Supplemental Therapy on Preventing Postherpetic Neuralgia: A Systematic Review and Meta-analysis.
Pain Physician. 2017 Sep.
[PMID: 28934778]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。