2017.03.27 | ニュース

夜中に足がつる人に酸化マグネシウムは効かない?いや効く?

94人で検証
from JAMA internal medicine
夜中に足がつる人に酸化マグネシウムは効かない?いや効く?の写真
(C) kosziv - iStock

「マグネシウムがこむら返りに効く」という説明を見かけることがありますが、本当でしょうか。夜間の足のけいれんがよく出る人を対象に、実際に酸化マグネシウムを飲むことで予防効果が試されました。

イスラエルの研究班が、夜間の足のけいれんを2週間に4回以上経験している21歳以上の人を対象に、酸化マグネシウムを4週間飲むことによる効果を試し、専門誌『JAMA Internal Medicine』に報告しました。

酸化マグネシウムは便秘の治療薬としても使われています。

この研究ではボランティアの参加者が集められ、平均年齢64.9歳の94人が対象となり、ランダムに2グループに分けられました。

  • 寝る前に酸化マグネシウムのカプセルを4週間飲むグループ
  • 寝る前に偽薬のカプセルを4週間飲むグループ

 

次の結果が得られました。

夜間の足のけいれんの週あたり回数の平均変化量は、酸化マグネシウム群で-3.41回(標準偏差4.05、7.84回・標準偏差5.68から4.44回・標準偏差5.66に)、偽薬群で-3.03回(標準偏差4.53、8.51回・標準偏差5.20から5.48回・標準偏差4.93に)であり、群間の差は週あたり0.38回(標準偏差0.48、ITT解析でP=0.67)だった。夜間の足のけいれんの重症度および持続時間、生活の質、睡眠の質について、群間の差はなかった。

酸化マグネシウムを飲んだグループでも、偽薬を飲んだグループでも、夜間の足のけいれんが週あたり3回程度少なくなり、統計的に違いが見られませんでした。けいれんの重症度や持続時間などにも違いが見られませんでした。

研究班は「経口の酸化マグネシウムは夜間の足のけいれんを経験している中高齢の成人に対して偽薬に勝るものではなかった」と結論しています。

 

夜間の足のけいれんに対して、酸化マグネシウムと偽薬に効果の違いが見られなかったという研究を紹介しました。

偽薬と違いがないなら、酸化マグネシウムは薬として効果があるとは言えません。

ただし、どちらのグループでも回数が若干減っているように見えます。偶然だった可能性も考えられますが、もし偽薬を飲んでも夜間の足のけいれんが減るなら、偽薬を飲むことも積極的に勧められることになるかもしれません。

とはいえ、酸化マグネシウムは飲み過ぎると下痢などを起こします。酸化マグネシウムは食品添加物としても認められているほか、普通の食べ物にもマグネシウムが含まれていて、体にとって必要な量は食事から十分摂ることができます。

また、そもそも参加者は直前に夜間の足のけいれんが繰り返し起こっていた人です。何もしなくても(偽薬を飲まなくても)自然に収まっていた可能性も頭に置く必要があります。

少なくとも、「効くはずだ」と思って酸化マグネシウムを選んで飲む理由にはならない結果です。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Effect of Magnesium Oxide Supplementation on Nocturnal Leg Cramps: A Randomized Clinical Trial.

JAMA Intern Med. 2017 Feb 20. [Epub ahead of print]

[PMID: 28241153]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。