女子は危険!男子よりも少ない量のアルコールで中毒、入院に
忘年会の季節ですが、飲み過ぎの注意は忘れないでください。未成年の飲酒はもちろんだめです。中でも女子は男子より少ない量のアルコールで入院になっていたことが、入院患者の統計による研究から報告されました。
急性アルコール中毒で入院になった未成年患者の統計
オーストリア・ウィーンの研究班が、未成年の急性アルコール中毒の統計についての研究結果を、専門誌『Alcohol』に報告しました。
この研究は、研究班の所属施設(ウィーン医科大学小児青少年医学部)に入院した患者のデータを統計解析したものです。2004年から2011年の8年間に、急性アルコール中毒の診断で入院になった未成年患者が調査対象とされました。
男子は90g、女子は64gで入院に
データの解析から次の結果が得られました。
女子は摂取していたアルコール量が男子よりも
有意 に少なかった(64g vs 90g)が、同程度の血中アルコール濃度に到達していた(0.199 ± 0.049% vs 0.204 ± 0.049%)。
入院時に飲んでいたアルコールの量は、女子では平均64gでしたが、男子では平均90gでした。飲んだ量が違っていたにもかかわらず、血液のアルコール濃度は男女ともに0.2%程度でした。
研究班は「女子は男子よりも少しのアルコールで同じ血中アルコール濃度に届く」とまとめています。
飲み過ぎ注意、未成年は絶対だめ
「音楽の都」としても知られるウィーンから、一見華やかな裏の面とも言えそうなデータが報告されました。未成年の飲酒が危険なことはもちろん、女子は特に危険がありそうです。
血中アルコール濃度が0.2%というのは、大人が泥酔となり記憶障害・まっすぐ立てない・意識の錯乱などを起こす量とほぼ同じです。飲む量で考えると、アルコール64gはビール1.6リットル程度、90gはビール2.3リットル程度に相当します。
未成年に飲ませるような違法行為はせず、女子の体の安全に配慮して、節度を持ってお酒を楽しんでください。
執筆者
Does acute alcohol intoxication cause transaminase elevations in children and adolescents?
Alcohol. 2016 Mar.
[PMID: 26992701]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。