2016.10.22 | ニュース

膝が伸ばせない「半月板損傷」、手術しないで2年間運動療法を続けた結果

平均49歳の140人が検証
from BMJ (Clinical research ed.)
膝が伸ばせない「半月板損傷」、手術しないで2年間運動療法を続けた結果の写真
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膝の半月板は、スポーツのほか、加齢によりもろく変性することで傷付きやすくなります。変性による半月板損傷のあった人で、手術と運動療法の効果を比較する研究が行われました。

ノルウェーで行われた研究の結果が、医学誌『BMJ』に報告されました。

この研究では、変性による内側半月板損傷がある、35歳から60歳の140人が対象とされました。

対象者はランダムに2グループに分けられ、治療を受けました。

  • 関節鏡手術(半月板部分切除)をするグループ
  • 手術をしないで12週間の運動療法を行うグループ

治療後の経過が2年間追跡調査されました。2年後に、質問票で痛みやスポーツができるかなどを評価したスコア(KOOS4)の変化が比較されました。

 

次の結果が得られました。

2年間に、KOOS4の変化には群間で臨床的意義のある差が見られなかった(0.9ポイント、95%信頼区間-4.3から6.1、P=0.72)。3か月時点で、筋力は運動群で改善していた(P ≦0.004)。

2年のフォローアップの間にどちらの群でも深刻な有害事象は発生しなかった。

どちらの治療でも、2年間のスコアの変化に違いがありませんでした。治療後3か月の時点では運動療法のグループで筋力が改善していました。

事故などの深刻な問題はどちらのグループでも起こりませんでした。

 

変性による内側半月板損傷に対して、半月板切除と運動療法の効果は同程度という結果でした。

この研究では、より若い人で、半月板の変性がなく、スポーツなどにより半月板損傷が起こった場合は対象とされていません。そのため、同じ結果が当てはまるかどうかはわかりません。

一般的に、ここで対象とされたような場合に手術をするかどうかは、症状などから判断されています。判断に迷うような場合に、実際に試したデータが役に立ちます。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Exercise therapy versus arthroscopic partial meniscectomy for degenerative meniscal tear in middle aged patients: randomised controlled trial with two year follow-up.

BMJ. 2016 Jul 20.

[PMID: 27440192]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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