赤ちゃんの寝かせ方をビデオでチェックする研究
アメリカのペンシルバニア州立大学などの研究班が、専門誌『Pediatrics』で研究結果を報告しました。
この研究では、親が赤ちゃんをどのように寝かせているかがビデオで記録され、観察されました。
対象として生後1か月、3か月、6か月の健康な乳児が寝ている間の様子が記録されました。
6か月児の93%は危険なものの近くで寝ていた
記録から次の結果が得られました。
160人の1か月児のうち、調査開始時点で21%が非推奨の場所に寝かせられ、14%は仰向けではなかった。91%は寝る場所に緩んだものや非承認のものがあり、ベッド、バンパーのパッド、枕、ぬいぐるみ、寝返り防止クッションなどがあった。
生後1か月の乳児160人のうち、寝かせ方に危険な要素があった割合は以下のとおりでした。
- 勧められない場所に寝かされていた:21%
- 仰向けではない姿勢で寝かされていた:14%
- 寝る場所に枕・ぬいぐるみ・寝返り防止クッションなど危険なものがあった:91%
生後3か月でも87%、生後6か月でも93%の子供で、寝る場所に危険なものがありました。
正しい寝かせ方とは?
アメリカ小児科学会が乳幼児突然死症候群の予防のために勧める寝かせ方の注意は次のようなものです。
- 1歳未満の赤ちゃんは必ず仰向けに寝かせる。
- 自分で寝返りができる子なら、寝返りをして横向きやうつ伏せになっても毎回戻してあげる必要はない。
- チャイルドシートなどの上で赤ちゃんが眠ってしまったら、すぐに安定した場所に動かす。
- 安定した場所に寝かせる。
- 壊れたベビーベッドやゆりかごは使わない。
- マットレスの上にほどよい大きさのシーツをかける。間に毛布や枕を挟まない。
- 椅子、ソファ、ウォーターベッド、クッション、羊皮の敷物の上では寝かせない。
- ベッドの上に柔らかいものを置かない。
- 枕、バンパーのパッド、ぬいぐるみなどは窒息などの恐れがある。
- できる範囲で母乳を与える。
- 予防接種を受ける。
- 喫煙者に赤ちゃんを近付けない。赤ちゃんがいる場所でタバコを吸わない。
- 赤ちゃんが暑すぎないようにする。自分で着るより1枚より多くのものを赤ちゃんに着せない。
- 寝るときにおしゃぶりをくわえさせる。
- 嫌がる子には無理に使わなくてよい。
- 寝ている間に落としたときは戻さなくてよい。
- 家庭用心臓呼吸モニターは使わない。
- モニターがSIDSを防ぐ効果は確かめられていない。
- SIDSのリスクを減らすとうたった商品は使わない。
- 寝返り防止クッション、特殊なマットレスなどはSIDSを防ぐ効果が確かめられていないうえに、これらの商品により窒息した例も報告されている。
赤ちゃんが突然死すると聞くと、なんとかして予防しなければと思ってしまいますが、寝返り防止クッションなどは逆効果の恐れもあります。
SIDSを防ぐとうたう商品の説明だけを読んでいると、確かに効果がありそうに思えてしまいます。心臓や肺の病気がある子供に使うべきセンサーが「病院で使われている」として一般家庭に売られている例もあります。
効果がないものを見分け、基本的な注意をよく確かめて、子供の安全を守ってください。
執筆者
※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。