遺伝性の難病ハンチントン病に新薬デューテトラベナジンの効果と安全性を検証

ハンチントン病は、体が勝手に動く症状から「舞踏病」とも言われ、親から子へ遺伝する病気です。治療は対症療法にとどまります。新薬デューテトラベナジンで症状を和らげる効果が検討されました。
◆ハンチントン病患者90人を治療
ここで紹介する研究は、一定以上の
対象者はランダムに、デューテトラベナジンで治療するグループと、有効成分を含まない偽薬を使うグループに分けられ、治療開始から12週後までの間の変化を判定されました。
◆デューテトラベナジンで症状スコアが改善
次の結果が得られました。
デューテトラベナジン群では、最大舞踏病スコアが12.1(95%信頼区間11.2-12.9)から7.7(95%信頼区間6.5-8.9)に改善した。対して偽薬群では、スコアは13.2(95%信頼区間12.2-14.3)から11.3(95%信頼区間10.0-12.5)に改善した。群間の平均差は-2.5ユニット(95%信頼区間-3.7から-1.3、P<0.001)だった。
うつ症状、不安症状、アカシジアを含む有害事象の率は、デューテトラベナジンと偽薬に対して類似していた。
偽薬のグループよりもデューテトラベナジンを使ったグループのほうで、症状のスコアがより大きく改善しました。
副作用の疑いがあるうつ症状などが出る頻度は、偽薬のグループとデューテトラベナジンのグループで大きな違いがありませんでした。
治療が難しいハンチントン病に対して、新しい治療法を探る試みがいまも続けられています。
執筆者
Effect of Deutetrabenazine on Chorea Among Patients With Huntington Disease: A Randomized Clinical Trial.
JAMA. 2016 Jul 5.
[PMID: 27380342]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。