2016.06.07 | ニュース

糖尿病の薬で膀胱がんに?ピオグリタゾンの影響を検証

イギリス14万人のデータから
from BMJ (Clinical research ed.)
糖尿病の薬で膀胱がんに?ピオグリタゾンの影響を検証の写真
(C) gosphotodesign - Fotolia.com

ピオグリタゾンは血糖値を下げる効果があり、2型糖尿病の治療に使われます。しかし、むくみなどの副作用があるほか、がんの発生率に関係するのではないかという意見もあります。統計をもとに検証が行われました。

◆イギリス全国で実際に使われた結果を解析

ここで紹介する研究は、ピオグリタゾンが膀胱がんの発生率に影響するかを検討しています。

イギリス全国で、2型糖尿病に対して新たに薬の治療を始めた人145,806人が調査の対象になりました。2000年から2014年までの調査期間にわたって対象者は追跡され、使っていた薬と、がんの発生などの経過を記録されました。

 

◆ピオグリタゾンを使った人で膀胱がんが多い

調査データの解析によって次の結果が得られました。

コホートから689,616人年のフォローアップがなされ、その間に622人の患者が新たに膀胱がんを診断された(粗発生率で10万人年あたり90.2件)。ほかの糖尿病治療薬と比較して、ピオグリタゾンは膀胱がんのリスク増加と関連した(10万人年あたり121.0 vs 88.9、ハザード比1.63、95%信頼区間1.22-2.19)。

ピオグリタゾンを使っていた人では、ほかの糖尿病治療薬を使っていた人よりも多く膀胱がんが発生していました

 

糖尿病治療薬とがんの関係についてはさまざまな研究があり、薬によってがんを増やすと見る意見も、がんを減らすと見る意見もあります。今回の結果も論点に加わるかもしれません。

ただしこの報告に対して疑問の声も上がっています。ピオグリタゾンを使ったグループの膀胱がんの発生数が一般に知られているよりも多すぎる点や、ピオグリタゾンは比較的重症の人が使っているが、重症の2型糖尿病膀胱がんの原因になるのでピオグリタゾンの影響ではないとしても説明できるといった点が指摘されています。

仮にピオグリタゾンが影響しているとしても、あるいはピオグリタゾンではなくほかの原因によって説明できるとしても、薬の治療を必要とする糖尿病で、一部のがんが発生しやすくなることは確かです。2型糖尿病の原因は生活習慣なので、日頃の生活で糖尿病を予防することが、何よりもまず大切と言えるでしょう。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Pioglitazone use and risk of bladder cancer: population based cohort study.

BMJ. 2016 Mar 30.

[PMID: 27029385]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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