2016.04.12 | ニュース

乳がんの手術が腕に与える影響とは

乳がん患者191名を対象に検証

from Archives of physical medicine and rehabilitation

乳がんの手術が腕に与える影響とはの写真

乳がんの手術では肩や腕に近い場所から手術することがあり、腕の動く範囲や筋力などに影響が出る場合があります。乳がんの手術の後、実際に行われているリハビリなどによって腕の障害が回復しているかを調査した研究を紹介します。

◆乳がんの手術が腕に及ぼす影響

2006年4月から2007年3月の間、乳がんと診断され、手術を受ける前の191名の患者が対象となりました。手術前に腕の障害などが調査されました。手術後は経過を追跡され、3ヶ月、12ヶ月、24ヶ月の期間で調査されました。

 

◆時間が経つにつれ、腕の障害が改善

以下の結果が得られました。

術後経過期間はthe impairment items scoreと負の関連が見られた(β=-0.20:95%信頼区間-0.49から-0.08)[...]。

手術後の腕の障害は時間が経過するにつれ改善しました

時間が経過するにつれ、腕の障害が改善することが示されましたが、筆者らは「しかし、上肢機能と関連する活動および社会参加は乳がん術後の2年間を通して制限されていた」と述べています。

 

乳がんの手術後は、しだいに改善する傾向があるとはいえ、腕の障害が長く続くという報告でした。早く腕の障害を改善するには、いつからどのようなリハビリをすればよいのでしょうか、これからの検証が期待されます。

執筆者

PT K.S

参考文献

Discrepant Trajectories of Impairment, Activity, and Participation Related to Upper-Limb Function in Patients With Breast Cancer.

Arch Phys Med Rehabil. 2015 Dec.

[PMID: 26343172]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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