2016.04.11 | ニュース

翼状片に結膜自家移植は有効か

文献の検証

from The Cochrane database of systematic reviews

翼状片に結膜自家移植は有効かの写真

翼状片とは、白目の部分の細胞が増殖して黒目の部分まで覆ってしまう病気です。研究班は、自分の目の他の部分からとった組織を移植する方法の安全性と有効性について文献を検証しました。

◆結膜自家移植と羊膜移植を比較

翼状片を治療する手術として、異常に増殖した組織を取り除いたあと、自分の結膜を移植する結膜自家移植のほか、羊膜移植という方法があります。羊膜とは、胎盤の組織の一部です。これを移植して目の病気を治療することがあります。

データベースから文献を検索し、自家移植手術と羊膜移植手術を比較した試験を行った文献を検証しました。

その結果は、以下のようになりました。

自家移植の羊膜移植に対する翼状片再発のリスク比は、3か月時点で0.87(95%信頼区間0.43~1.77)、6か月時点で0.53(95%信頼区間0.33~0.85)であった。

自家移植のほうが、羊膜移植より再発が少ないという結果になりました。

 

研究班は、報告を以下のように締めくくっています。

翼状片切除に関連して、結膜自家移植は羊膜移植より術後6カ月時の再発のリスクが低かった。

執筆者

後藤由佳利

参考文献

Conjunctival autograft for pterygium.

Cochrane Database Syst Rev. 2016 Feb 11.

 

[PMID: 26867004]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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