人工股関節術後の在宅トレーニングの効果

近年、入院期間の短縮に伴い入院中だけでは十分なリハビリが出来ない場合が多くあります。今回は人工股関節術後の在宅トレーニングで運動機能が改善するのか検証しています。
◆在宅トレーニングの効果
在宅トレーニングに効果があるかを調査するための研究として、人工股関節術後の患者30名が対象となりました。全員が12週間、在宅でのトレーニングを実施しました。効果の判定は術後2、6、12週に行われ、歩行速度や歩行距離、生活の質を調査しました。
◆歩行速度や歩行距離が改善
以下の結果が得られました。
12週間のトレーニング後、参加者のup-and-go時間はベースライン測定から40.33%減少し、平均6.38秒変化した(P<0.001)。6分間歩行距離は41.34%増加し、平均117.12メートル変化した(P<0.001)。健康に関連するQOLのスコアは78.94%減少し、平均39.10変化した(P<0.001)。平均運動順守率は72.63%であった。介入実現可能性のための平均スコアは8.8(幅=6-10)であった。
12週間の在宅トレーニングの結果、歩行速度や歩行距離が改善し、生活の質も向上しました。
リハビリ分野では在宅でのトレーニングが重要視されて、最近さらにその流れは加速しています。在宅でのトレーニング効果のさらなる検証が必要になってきそうです。
執筆者
Effects of a Home-Based Resistance Training Program on Recovery From Total Hip Replacement Surgery: Feasibility and Pilot Testing.
J Nurs Res. 2015 Nov.
[PMID: 26588453]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。