◆マウスに日本酒タンパク質+運動
研究班は、実験用マウスを8体ずつ3組に分けて、4週間の実験を行いました。3組はそれぞれ運動をさせないグループ、筋力トレーニングをさせるグループ、日本酒のタンパク質を与えたうえで筋力トレーニングをさせるグループとしました。
◆尿酸などが減少
4週間の筋力トレーニングによって運動能力が上がったことに加え、次の結果が得られました。
PET+SP補充は、15分の水泳運動後の血清乳酸、アンモニア、クレアチンキナーゼの濃度を有意に減少させた。AST、ALT、クレアチニン、尿酸の安静時血清濃度はすべてPET+SP群で有意に減少した。
日本酒のタンパク質を与えたグループでは、水泳運動をさせたあと、乳酸、アンモニア、クレアチンキナーゼの検査値が低くなりました。また、運動をさせていないときの検査では、尿酸、クレアチニン、AST、ALTの検査値が低くなりました。
これらの検査値は、一般に運動後には筋肉の細胞が壊れることによって高くなります。日本酒のタンパク質は、運動による筋肉の変化に影響していたのかもしれません。
この実験の結果が人間にも当てはまるかどうかは不明です。また、この実験は日本酒からタンパク質を抽出して使っていますが、日本酒そのものを調べたわけではありません。日本酒を含めてアルコールは痛風の頻度を増やします。
ここで見られた結果は、運動を効果的にする栄養補充の研究に参照されることで、新しい発見に結びつくかもしれません。
執筆者
Sake Protein Supplementation Affects Exercise Performance and Biochemical Profiles in Power-Exercise-Trained Mice.
Nutrients. 2016 Feb 20.
[PMID: 26907336]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。