魚介類を週に1回以上食べるとアルツハイマー病になりにくい?

アルツハイマー病は記憶や思考力が徐々に低下していく病気です。日本国内での認知症の原因として最も多い病気です。発症前の状態に戻す治療法はなく、予防法に関心が持たれています。魚介類を食べる事とアルツハイマー病の関連が報告されました。
◆魚介類を食べることでアルツハイマー病は防げるのか?
今回の調査は、過去にアメリカで行われた研究の対象者で、死亡した554人の患者が対象とされました。患者の遺体から脳が解剖され、脳組織を顕微鏡によって観察し、アルツハイマー病と判断される要素が見られるか調べられました。対象者は、死亡する数年前から食事頻度調査によるアンケートに答えていました。これらのデータが集められ、アルツハイマー病との関連が調べられました。
◆週に1回以上魚介類を食べることが、アルツハイマー病になる要素が低い事と関連
次の結果が得られました。
年齢、性別、教育、総エネルギー摂取量を調整したモデルでは、魚介類の摂取(週に1回以上)はアポリポタンパクE(APOE ε4)を持った人たちのみで
有意 にアルツハイマー病の病理所見 が少なくなることと関連した。老人斑の密度が低く(β=-0.69 スコアユニット [95% 信頼区間、 -1.34から-0.04]、神経原線維変化がより軽度かつ限局的(β=-0.77 スコアユニット [95% 信頼区間、 -1.52から-0.02])、そして、神経病理学的に定義されたアルツハイマー病が低かった(β=-0.53 スコアユニット [95% 信頼区間、 -0.96から-0.10])。
APOE ε4という関連遺伝子を持っている人では、魚介類を週に1回以上食べる人でアルツハイマー病の特徴が少なくなっていました。
食生活はアルツハイマー病の予防となんらかの関係があるかもしれません。しかし、今回の調査は、脳組織を観察したときの特徴をもとに分析されたものであり、魚介類を食べた結果によりアルツハイマー病の
執筆者
Association of Seafood Consumption, Brain Mercury Level, and APOE ε4 Status With Brain Neuropathology in Older Adults.
JAMA. 2016 Feb 2.
[PMID: 26836731]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。