2016.02.13 | ニュース
睡眠不足では無実の罪を認めてしまうかもしれない
アメリカの実験から
from Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America
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睡眠不足は日中の活動の妨げになります。場面によっては深刻な結果に結び付くかもしれません。アメリカで、犯罪の捜査に関わることを想定した実験が行われました。
◆Escapeキーを押してはいけない
この実験の参加者は、コンピューターを使った課題を受けました。その課題の中では、キーボードのEscapeキーを押すと研究データが消えてしまうことが繰り返し警告されました。
課題を何度も行ったうえ、対象者を2グループに分けて比較がなされました。一方のグループでは一晩寝ないで過ごし、もう一方のグループは一晩寝室で眠りました。その翌朝に、参加者は自分がEscapeキーを押したことを認める書類にサインするよう求められました。
◆押していないのに認めてしまった
次の結果が得られました。
一度の要求のあとでサインするオッズは、休息した参加者よりも睡眠不足の参加者で4.5倍高かった。
一晩眠るグループよりも、一晩寝ないグループで多くの人が、実際にはEscapeキーを押していないにもかかわらず、書類にサインしました。
日本国憲法第38条では「強制、拷問若しくは脅迫による自白又は不当に長く抑留若しくは拘禁された後の自白は、これを証拠とすることができない。」と決められています。心理的な面はもちろん、生理学的な面も関係しうるという観点が、倫理的かつ合理的な指針のために必要なのかもしれません。
執筆者
参考文献
Sleep deprivation and false confessions.
Proc Natl Acad Sci U S A. 2016 Feb 8. [Epub ahead of print]
[PMID: 26858426]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。