2016.02.18 | コラム

外反母趾の原因と治療法について解説

靴、運動、装具、薬など
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この記事のポイント

1. 外反母趾の原因について
2. 外反母趾の治療法① どんな靴が良いか?
3. 外反母趾の治療法② 運動に効果はあるか?
4. 外反母趾の治療法③ サポーター・装具・インソール・テーピングの効果とは?
5. 外反母趾の治療法④ 薬

外反母趾の原因については、靴や足の形など様々なことが言われていますが、はっきりしない点もあります。このページでは外反母趾の原因と、治療法のうち保存療法を解説します。

 

外反母趾の原因について

外反母趾は、足の親指が付け根の関節(中足趾節関節)で小指側に過剰に曲がっていることを言います。親指が過度に曲がっていることで、痛みが生じ、それが原因で歩けなくなる方もいらっしゃいます。

親指が外側に曲がっている角度(外反母趾角)が、何度かでその診断や重症度が決まります。日本整形外科学会と日本足の外科学会の監修による『外反母趾診療ガイドライン2014』では、外反母趾角が20度以上を外反母趾と診断することとしています。角度を測定するには、X線を用いた方法や、ゴニオメーターと呼ばれる角度計などを使います。

外反母趾の原因については、いくつかの要素が見つかっているものの、完全にはわかっていません。もともとの足の形や関節が不安定であること、足の指の長さ、関節の過剰な柔らかさについて研究がありますが、一定の見解が得られていないのが現状です。

特に、外反母趾の原因を扁平足(土踏まずが少ないまたは、ない状態)や開張足(足の幅が広いような状態)と結び付ける考えがありますが、この点でも意見は一致していません。

一方、外反母趾との関連として、「靴」に関する報告が多数あります。例えば、裸足で生活している人と靴を履いている人を比べると、靴を履いている人の方が外反母趾発症している割合が多いということや、靴の種類によって外反母趾を発症する割合が違うといったことが言われています。特に靴の種類では、ハイヒールを履く人に外反母趾の人が多いという研究があります。

外反母趾には様々な原因がある可能性が指摘されていますが、現状でわかっていることはあまり多くありません。

このような中、症状として「痛み」が出た時に、どのような治療法を行えば良いのでしょうか?ここでは、保存療法(手術をしない治療法)を紹介します。

 

外反母趾の治療法① どんな靴が良いか?

外反母趾の治療法・予防法として、どんな靴を履けば良いのでしょうか?

これまで、外反母趾と靴の関係は様々なことが言われていますが、前述したように、靴の種類として「ハイヒール」はあまりよくないとされています。また外反母趾があってすでに痛みが出ている人なら、きつい靴を履くと痛むのは明らかです。その他にも、子どもでは、小さい靴を履いていると、母趾の外側に曲がる角度が大きくなっているという報告もあります。これらのことから、以下の3点は気をつける意味があるでしょう。

  • ハイヒールはできるだけ履かない

  • きつすぎる靴を履かない

  • 子どもの時から適した靴を履く

子どもでは足の骨も成長しています。子どもの頃から足に合った靴を履くことは、足の変形や痛みの発生を予防する方向に働くと考えられます。

 

外反母趾の治療法② 運動に効果はあるか?

外反母趾を治療する狙いで、親指を内側(人差し指の反対側)に広げる訓練がなされることがあります。これは親指が外側に曲がっている状態を、内側に引っ張るように力をつけることで、外反母趾が改善するのではないかという考え方です。

この外反母趾に対する親指の運動の効果について、親指を内側に開く筋力増強訓練を行ったところ、外反母趾角が改善したとする研究報告があります。訓練前の外反母趾角が30度未満の人で特に改善がありました。

この他にも、足の親指を手で動かす方法で痛みが軽くなったとする報告があります。

 

外反母趾に対して、親指を動かすことで何らかの効果が得られる可能性が考えられます。運動が適しているか、どのような運動がよいかといったことを主治医と相談してください。

 

外反母趾の治療法③ サポーター・装具・インソール・テーピングの効果とは?

次に、外反母趾の治療法としてしばしば行なわれている、サポーター・装具、テーピングに関して解説します。

外反母趾では、サポーターや足底挿板、夜間用装具などの装具療法を行うことがあります。サポーターは、弾性のある素材で出来た靴下のようなもので、親指が外側に過剰に向かないよう防ぐ役割を持ちます。親指と人差し指の間にゴムのようなものを付けるサポーターもあります。足底挿板は、足の構造を考慮しながら、歩行や立ち上がりなど、足に体重をかける動作で適切な動きが得られるように、靴に専用の中敷を入れます。夜間用装具は、寝るときに装着するもので、弾性素材とプラスチック素材のものを組み合わせたものが多いです。

基本的には、いずれも足にそのまま装着することができます。

装具の効果について、『外反母趾診療ガイドライン2014』には、「装具療法では、軽度から中等度の外反母趾に対して除痛効果を期待できるが、装具使用中止後その効果は低下する」「変形矯正を目的とした装具療法では、装着中HV角3°〜7°程度の変形矯正効果を期待できる」とあり、行うことを考慮しても良いとされています。HV角とは外反母趾角のことです。

装具の価格は様々ですが、市販のものですと安いもので、1500円程度で購入可能です。一方、義肢装具士と呼ばれる装具作成の専門家から購入する場合は、保険適用で購入することができます。

次に、外反母趾に対するテーピングの効果について説明します。外反母趾では、母趾を内側に引っ張るようにテーピングを行い、母趾が過剰に外側を向かないようにすることがあります。スポーツ選手では、運動中に装具療法などを行うことが難しく、このようなテーピングを行うこともあります。一方で、激しい運動や入浴により取れてしまうことや、徐々に固定性が失われること、その都度外したり着けたりを繰り返さなければいけないことなどから、短期的に必要な時に使用されることが多いものです。その効果について報告された研究は非常に少なく、専門家の技術や経験が非常に重視される方法になっています。

 

外反母趾の治療法④ 薬

最後に、薬の効果について解説します。薬としては、消炎鎮痛剤(湿布、軟膏など)が用いられることが多く、その他の治療を行いながら適宜使用されています。

 

以上をまとめると、効果を示した強い証拠はないものの、外反母趾の痛みに対する治療方法として、靴に注意する、装具療法などを行う、薬を使うといった手段があるという現状です。しかし、個々の患者さんでは、治療法によってよく効く場合もあまり効かない場合もあるため、専門家に相談しながら、治療を進める必要があります。

 

外反母趾の治療法として、保存療法を解説してきました。なお、保存療法は外反母趾が軽度から中等度の方に比較的適していると考えられます。重度の外反母趾がある方には、手術が適していると考えられる場合もあります。

 

注:このコラムは2016年2月18日に公開されましたが、2018年2月8日に編集部(大脇)が更新しました。

執筆者

Shuhei Fujimoto

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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