◆ 認知症と死亡率
今回の研究では、2009年から2013年の間に股関節骨折した65歳以上の患者の入院、リハビリ、死亡記録から32,305人が対象とされ統計的解析がされました。対象者の8,785人が認知症を持ち、23,520人は認知症を持っていませんでした。
◆ 認知症を持っていると死亡率が増加
次の結果が得られました
認知症を持っていた人は、年齢調整された30日死亡率が、認知症を持っていない人に比べて高かった(11.7%対5.7%)。
統計解析から、股関節骨折した場合、認知症を持っていると、持っていない人に比べて30日以内の死亡率が約2倍も高かったということが報告されました。
高齢者が転倒により股関節を骨折した場合に死亡する原因は、元々持っていた病気など様々な原因が考えられます。認知症の治療には転倒を予防するためのリハビリも必要とする可能性があるのではないでしょうか。
執筆者
Hip fracture and the influence of dementia on health outcomes and access to hospital-based rehabilitation for older individuals.
Disabil Rehabil. 2016 Jan. [Epub ahead of print]
[PMID: 26765956]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。