◆ビタミンC不足による壊血病
この子どもは、生後2か月半から11か月までアーモンド飲料とアーモンド粉末だけで育てられていました。通常は見られない大腿骨の骨折などが起こったため受診し、診察の結果、骨量の減少などから壊血病と診断されました。
壊血病はビタミンCの不足によって起こる病気です。ビタミンCは体がコラーゲンを作るために必要ですが、ビタミンCが不足するとコラーゲンが作れなくなり、出血や骨折を起こしたり、子どもの成長を妨げることもあります。
この子どもでも、血液中のビタミンCの量は少なくなっていました。
◆ビタミンCを飲んで3か月で改善
ビタミンCを補充する治療の結果、3か月後には症状は改善し、歩けるようになりました。
研究班は「要約すると、この症例は生後1年以内のアーモンド飲料の不適切な飲用によって起こる新しい、深刻な問題として壊血病があることを示している」と述べています。
牛乳や母乳を乳児に飲ませたときの効果と注意するべき点は古くから知られています。体にいいものを飲ませようと思っても、この例のように極端に偏った育て方をすると、思わぬところで問題が起こることもあるようです。
執筆者
Improper Use of a Plant-Based Vitamin C-Deficient Beverage Causes Scurvy in an Infant.
Pediatrics. 2016 Jan 18. [Epub ahead of print]
[PMID: 26783325]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。