大腸がんには遺伝性がかなりはっきりしているものがいくつかあり(家族性腺腫性ポリポーシスなどがあります)、遺伝子検査を含むカウンセリングが推奨されます。
◆193人のデータを総括
研究チームは、遺伝子カウンセリングを受けた35歳以下の大腸がんの患者さん193人の、多数の遺伝子の検査情報に、症状や診察から得られた情報、がんの検査、家族に発生したがんなどに関するデータを加えて総括しました。
◆35%が遺伝子性、家族歴のない人も19%
35%が、遺伝性がん症候群と総称される、遺伝子の異常が原因でがんが発生しやすくなる何らかの病気を持っていました。そうではない患者さんと比べて、早期に見つかっている場合が多くありました。遺伝性がん症候群の場合には家族歴が多い傾向がありましたが、19%の患者さんには家族歴がありませんでした。
この研究では、多数の遺伝子を同時に検査する最先端の方法が用いられています。 近年、がんに関連する数多くの遺伝子の精密な検査がかなり低コストでできるようになっています。
遺伝子検査は当事者だけでなく、ご家族にも影響があり、プライバシーにも関わりますので、ガイドラインの整備やカウンセリングの充実が求められます。
執筆者
High Prevalence of Hereditary Cancer Syndromes in Adolescents and Young Adults With Colorectal Cancer.
J Clin Oncol. 2015 Nov 1
[PMID: 26195711] http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26195711※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。