2016.01.24 | ニュース

脳卒中後のバランス能力に、目を閉じてトレーニングを行った効果は?

歩行能力やバランス能力を検証

from Journal of physical therapy science

脳卒中後のバランス能力に、目を閉じてトレーニングを行った効果は?の写真

脳卒中患者のリハビリでは、トレッドミル(ランニングマシーン)を使って歩く練習を行うことがあります。この研究は、目を閉じてトレッドミルを歩く練習を行うと、歩く能力やバランス能力が変化するか、検証しました。

◆脳卒中患者30人を対象に実施

この研究は、脳卒中患者30人を、目を閉じてトレッドミルを歩く群(閉眼トレーニング群)と、目を開いてトレッドミルを歩く群(開眼トレーニング群)に分けて実施しました。トレーニングは、1回40分を週3回実施し、4週間継続しました。

 

◆目を閉じてトレッドミルトレーニングをすると歩行能力が改善する?

結果は、以下の通りでした。

トレッドミルトレーニング後、閉眼トレッドミルトレーニング群は、開眼トレッドミルトレーニング群と比較し、歩行距離、ステップ長や変動係数、安定性限界が有意に改善した[...]。

目を閉じてトレッドミルトレーニングを行うと、目を開けて行った群と比較して、歩行能力やバランス能力が向上する結果となりました。

 

健常な人でも、目を開いた状態より、閉じた状態の方が、バランスが悪くなります。その状態で練習をしたことで、より厳しいトレーニングになったのかもしれません。実際に目を閉じてトレッドミルトレーニングを行うときには、懸架装置を使うなど、転倒しないように配慮が必要ですが、トレーニングの一つとして考えてみても良いかもしれません。

執筆者

com

参考文献

Effects of treadmill training with the eyes closed on gait and balance ability of chronic stroke patients. 

J Phys Ther Sci. 2015 Sep.

[PMID: 26504328]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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