◆「ダサチニブ」治療を中止し有効性と安全性を調査
この試験は日本の多施設で実施された試験です。
慢性骨髄性白血病に対して抗がん剤治療を受け、病状が抑えられていた88人が登録され、全ての患者がダサニチブという薬により再発を防ぐ治療を少なくとも1年間受けました。そのうち適格と見られた63人がダサチニブを中止し、3年間定期的に経過を観察されました。
25人は除外されましたが、この25人は治療を継続し病状の進行は見られませんでした。
◆48%は治療中止しても再発なし
治療中止の結果、63人中30人(48%)で再発は見られませんでした。
報告は「分子遺伝学的寛解が1年以上維持されている患者がダサチニブ服薬を中止することは実現可能である。」と結ばれています。
がんの治療薬は副作用の恐れがあるほかにも薬価が高く、経済的負担の問題もあります。中止しても再発がなく治癒の可能性があるなら、治療の負担を減らすことにもつながるのではないでしょうか?
その一方でダサチニブ中止後に再発した人も見られ、どのような人で中止が適切かは別に検討する必要があります。
執筆者
Discontinuation of dasatinib in patients with chronic myeloid leukaemia who have maintained deep molecular response for longer than 1 year (DADI trial): a multicentre phase 2 trial.
Lancet Haematol. 2015 Dec
[PMID: 26686407]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。