2016.01.02 | ニュース

研修医のうつ病が、年々増え続けている

51の研究論文より
from JAMA
研修医のうつ病が、年々増え続けているの写真
(C) GVS - Fotolia.com

研修医は、初めて医者の仕事をするため、新たな社会環境の変化によるストレスもあり、うつ病の危険性があるかもしれません。今回、研修医の間でうつ症状とうつ病が見られる頻度について検討しました。

◆うつ病とうつ症状とは

うつ症状(抑うつ気分)とは、気分が落ち込んで元気がでない状態のことを指します。うつ病は、身体的な原因では説明できない、抑うつ気分、意欲低下、希死念慮などの状態が一定期間持続するものを指します。うつ病が起こりやすい状況には、つらい出来事やストレス、住む環境、社会環境の変化などがあります。

今回の研究では、研修医のうつ症状やうつ病有病率を調べました。

有病率は、全体の中で何人が病気になっているかを調べた割合です。ここでは研修医がたとえば100人いたら何人がうつ病またはうつ症状のある状態になっているかを表します。

 

◆51の研究論文を調査

1963年1月と2015年9月の間に発表された論文の中から、研修医のうつ症状やうつ病の有病率に関する論文を用いた研究を収集し、統合して研修医のうつ症状やうつ病の有病率の関連性を再検討しました。

 

◆うつ病の有病率が例年増加

この研究調査から、研修医の間ではうつ病またはうつ症状の有病率はすべての期間を通して28.8%と見積もられ、そのうちでも例年うつ症状とうつ病の有病率が増加していく傾向が見られました。

 

環境の変化によるストレスや立場の変化がうつ病を誘発する原因になっているのかもしれません。だとすれば、有病率が年々増加傾向にあることから、研修医の環境は悪化しつつあるのかもしれません。

この研究では、研修医の間だけで検討を行いました。同様に新社会人や学生、結婚後の女性など、住む環境、社会環境の変化が起きる立場になったときに、うつ病の予防や治療を考えるためにも、役に立つ情報になるかもしれません。

執筆者

宮本 知明

参考文献

Prevalence of Depression and Depressive Symptoms Among Resident Physicians: A Systematic Review and Meta-analysis.

JAMA. 2015 Dec 8

[PMID: 26647259]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。