2015.12.29 | ニュース

「立っている」状態は血糖の値を下げるか?

22人の肥満女性で比較

from Diabetes care

「立っている」状態は血糖の値を下げるか?の写真

現代の便利になった世の中では、「座りっぱなし」の時間が長い人は多いのではないでしょうか。今回の研究は、「座りっぱなし」の時間の合間に、「立っている」あるいは「歩く」という動作を行うことで、血糖値を改善できるか検証しました。

◆22人の血糖値の変化を分析

今回の研究チームは、血糖値が高く、肥満体型をもつ22人の女性(平均年齢66.6歳)を対象に、食後の血糖値の変化を調査しました。

対象者を、「座りっぱなしで7.5時間過ごす」グループと、座って過ごしてもらいながら30分毎に5分間「立っている」グループと、30分毎に5分間「歩く」グループの3つに分けました。

 

◆「起立」や「歩行」で血糖値を下げる効果あり

結果は以下の通りです。

座りっぱなしで過ごした人(血糖上昇曲線下面積=5.3±0.8mmol/l・h)と比較し、「立っている」グループの人(3.5±0.8mmol/l・h)と「歩く」グループの人(3.8±0.7mmol/l・h)は、統計的に血糖値の有意な低下(P<0.05)を示した。

「座りっぱなし」の生活が中心でも、「立っている」姿勢や「歩く」という動作を取り入れることで、血糖の数値は下がるという結果でした。

 

今回の研究結果では30分毎に5分間の動作を行うことで、血糖値を下げる効果があったという内容でした。日常的に30分毎に身体を動かすことは大変なことかも知れません。しかし、健康のことを考えると、エスカレータよりも階段を使うなど、意識して身体を動かすことが大切です。

執筆者

Toru Kokubo

参考文献

Breaking Up Prolonged Sitting With Standing or Walking Attenuates the Postprandial Metabolic Response in Postmenopausal Women: A Randomized Acute Study.

Diabetes Care. 2015 Dec 1

[PMID: 26628415]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

▲ ページトップに戻る