◆卵アレルギーの人はインフルエンザ生ワクチンを接種しても安全か?
今回の研究では、卵アレルギーがある2歳から18歳の779人を対象にインフルエンザの生ワクチンを接種し、その後の症状を検証しました。症状は、ワクチン接種30分後と72時間後に評価しました。
◆卵アレルギーへの生ワクチン接種は危険な場合もある
以下の結果が得られました。
全身のアレルギー反応を発症した人はいなかった(95%信頼区間の上限:対象の0.47%、卵アナフィラキシーを持つ参加者で1.36%)。
221人の参加者に、ワクチンに潜在的に関連する遅れた事象が発症した。親が喘鳴を報告した29人を含む62人(8.1%、95%信頼区間6.3-10.3%)が、72時間以内に下気道症状を経験した。
卵アレルギーを持つ人へのインフルエンザ生ワクチンは、アレルギー反応を引き起こす危険性があり、72時間後にはワクチンと関係する可能性がある症状などが221人に見られたという結果でした。アナフィラキシーのように全身に起こる症状が出た人はいませんでした。
卵アレルギーを持つ人へのワクチン接種は、アレルギー反応が出た人の数は多い可能性があるものの、アナフィラキシーショックのように全身症状が出ることはないか、あってもまれと見られる結果でした。日本では、インフルエンザの生ワクチンは承認されていないため、使われることはほとんどありませんが、参考程度に頭の隅入れておいても良いかもしれません。
執筆者
Safety of live attenuated influenza vaccine in young people with egg allergy: multicentre prospective cohort study.
BMJ. 2015 Dec 8
[PMID: 26645895]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。