2015.12.21 | ニュース

脳性麻痺の症状改善を画像検査で予測できるか?

MRIを用いて検証

from Neurorehabilitation and neural repair

脳性麻痺の症状改善を画像検査で予測できるか? の写真

脳性麻痺では運動や感覚などの機能が低く、日常生活がうまく送れないことがあります。成長していくなかで機能が改善していくこともありますが、それにはどのような要因が関連するのでしょうか。今回の研究では、画像との関連を検証しました。

◆機能の予測に脳の画像は役に立つか?

今回の研究では、脳性麻痺の7歳から16歳の子ども20人を対象に、MRIの画像を用いて、機能的MRIと拡散テンソル画像から判断できる脳の状態を調べました。 その後治療を行い、治療前の脳活動と、治療後の機能の改善の関連性を検証しました。治療は、両方の手や腕を重点的に動かす訓練を行いました。

機能的MRI(fMRI)は、脳のどの部位が活動しているかわかる検査方法です。拡散テンソル画像法は、脳のどの部位とどの部位が神経で繋がっているかがわかる検査法です。

 

◆脳の活動と手の機能の改善は関連

以下の結果が得られました。

fMRIは、麻痺側の手を動かしたときの対側の脳活動とAHAの改善の間に負の関連性を示した(T2: r=-0.562、T3: r=-0.479)。

治療前に麻痺した手を動かしたときの脳の活動と、治療後の手の能力の改善に関連があるという結果でした。

 

脳の活動と手の機能の改善程度が関連しているという研究結果でした。このような研究などを参考に、脳性麻痺の子どもがどのように改善していく可能性があるか考えられ、治療が行われています。

執筆者

Shuhei Fujimoto

参考文献

Imaging Predictors of Improvement From a Motor Learning-Based Intervention for Children With Unilateral Cerebral Palsy.

Neurorehabil Neural Repair. 2015 Nov 11

[PMID: 26564999]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

▲ ページトップに戻る