◆46人の乳がん経験者が対象
通常、性交痛に対して多くがエストロゲンを補う処方をされます。しかし、乳がんの一部はエストロゲンが多いときに進行しやすいことが知られているため、乳がん経験者に関しては、エストロゲン剤は避けられる傾向にあります。
研究チームは、エストロゲン低下状態で性交痛のある閉経後の乳がん経験者46人を対象としました。彼女らをランダムに2つのグループにわけ、一方のグループでは生理食塩水、もう一方のグループには局所麻酔作用のある4%リドカイン液を外陰部の膣前庭に塗布しました。
◆リドカインは有効
以下の結果が得られました。
盲検試験において、リドカインを投与された対象者がより性交痛が少ないと報告した(中央値 1.0、生理食塩水投与のグループでは5.3; P=.007)。
研究チームはリドカインの膣前庭への塗布が性交痛の予防に有効であったと報告しました。
同じチームは産後や閉経後の性交痛に関する報告など、この問題の解明を追求してきました。乳がん経験者は多く、なかなか表に出にくい性交痛の問題に対し、この方法が解決策になるのか、大規模な検証が期待されます。
執筆者
A Practical Solution for Dyspareunia in Breast Cancer Survivors: A Randomized Controlled Trial
J Clin Oncol. 2015 Oct 20
[PMID: 26215946]
※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。