2015.12.18 | ニュース

糖尿病の検査値に興味が湧くプログラムで、目標値を達成できた

154人を分析
from BMJ open
糖尿病の検査値に興味が湧くプログラムで、目標値を達成できた の写真
(C) Andrey Popov - Fotolia.com

糖尿病では血液検査値の管理が大事ですが、なかなかうまくいかない場合があります。今回の研究では、2型糖尿病の患者に対し、心筋梗塞の予防に関わる情報を共有したところ、その効果が示されました。

◆糖尿病の危険性に関して情報を共有すると?

Shared deicision making(SDM)は、治療や検査に関わるメリット・デメリットや、患者の価値観・希望などを、医療者と患者が共有しながら、治療や検査を一緒に決めていく過程です。 今回の研究では、2型糖尿病患者154人を、心筋梗塞の予防に関してSDMプログラムを受ける群と対照群に分け、SDMプログラムの効果を検証しました。

 

◆SDMプログラムで薬の重要性を認識し、血液検査値が改善

以下の結果が得られました。

ISDM-Pでは、より多くの患者がスタチン治療(平均スコア59.2% vs 30.4%、差28.7%(95%信頼区間12.9%-44.5%))を希望し、血圧管理を優先する人が多く(51.4% vs 25.7%)、強化血糖管理を行う人を少なくした(33.3% vs 60%、p=0.002)。

ISDM-Pでは、より多くの患者がグリコヘモグロビンの目標値を達成した(平均スコア95.8% vs 85.7%、差10.1%(95%信頼区間0.6%-19.5%))。

SDMを行った群では、コレステロール値を下げる薬であるスタチンの治療を希望する人が増え、血圧管理をする人が増えました。また、血糖に関連する血液検査値の目標値を達成する人もより多かったという結果でした。

 

情報の共有を行うことで、糖尿病患者の薬や血圧管理への認識が変わり、血液検査値にも関連するかもしれないという研究結果でした。治療をする中で、このようなコミュニケーションの方法でも効果が見られるのかもしれません。

執筆者

Shuhei Fujimoto

参考文献

Informed shared decision-making programme on the prevention of myocardial infarction in type 2 diabetes: a randomised controlled trial.

BMJ Open. 2015 Nov 13

[PMID: 26567256]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。