糖尿病の検査値に興味が湧くプログラムで、目標値を達成できた
糖尿病では血液検査値の管理が大事ですが、なかなかうまくいかない場合があります。今回の研究では、2型糖尿病の患者に対し、心筋梗塞の予防に関わる情報を共有したところ、その効果が示されました。
◆糖尿病の危険性に関して情報を共有すると?
Shared deicision making(SDM)は、治療や検査に関わるメリット・デメリットや、患者の価値観・希望などを、医療者と患者が共有しながら、治療や検査を一緒に決めていく過程です。 今回の研究では、2型糖尿病患者154人を、心筋梗塞の予防に関してSDMプログラムを受ける群と対照群に分け、SDMプログラムの効果を検証しました。
◆SDMプログラムで薬の重要性を認識し、血液検査値が改善
以下の結果が得られました。
ISDM-Pでは、より多くの患者がスタチン治療(平均スコア59.2% vs 30.4%、差28.7%(95%信頼区間12.9%-44.5%))を希望し、血圧管理を優先する人が多く(51.4% vs 25.7%)、強化
血糖 管理を行う人を少なくした(33.3% vs 60%、p=0.002)。ISDM-Pでは、より多くの患者がグリコ
ヘモグロビン の目標値を達成した(平均スコア95.8% vs 85.7%、差10.1%(95%信頼区間0.6%-19.5%))。
SDMを行った群では、
情報の共有を行うことで、糖尿病患者の薬や血圧管理への認識が変わり、血液検査値にも関連するかもしれないという研究結果でした。治療をする中で、このようなコミュニケーションの方法でも効果が見られるのかもしれません。
執筆者
Informed shared decision-making programme on the prevention of myocardial infarction in type 2 diabetes: a randomised controlled trial.
BMJ Open. 2015 Nov 13
[PMID: 26567256]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。