◆体温計はどれくらい誤差があるか?
体温には、身体の中心部の体温と表層の体温があります。表層の体温は、通常わたしたちが測定しているような脇の下に体温計を入れるなどして測定するものです。
今回の研究では、過去の75の研究をまとめ、体温計で測定した温度が身体の中心部の温度とどの程度違いがあるか検証しました。
◆体温計の誤差は大きい
以下の結果が得られました。
特に発熱している患者(大人で-1.44℃から1.46℃、子供で-1.49℃から0.43℃)と低体温症の患者(大人で-2.07℃から1.90℃、子供はデータなし)では、中心体温と比べて、末梢体温計は、事前に定義した臨床的許容範囲(±0.5℃)よりもプールした95%の一致制限(ランダム効果メタ分析)を外れていた。
脇の下などの末梢で測定した体温は、中心体温と比較して、最大1℃の幅を超える誤差があるという結果でした。
普段使っている体温計ですが、その特徴を知って使っておくことが大事かもしれません。
執筆者
Accuracy of Peripheral Thermometers for Estimating Temperature: A Systematic Review and Meta-analysis.
Ann Intern Med. 2015 Nov 17
[PMID: 26571241]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。