◆子どもの双極性障害にリチウムは有効か?
今回の研究では、明確な躁状態とうつ症状が入れ替わり繰り返される、双極性障害1型の 子ども81人を対象に、リチウムで8週間治療し、その有効性を検証しました。
◆子どもでもリチウムは有効
以下の結果が得られました。
YMRSスコアの変化量は、YMRSスコアのベースライン、年齢群、体重群、性別、研究実施場所で調整しても、リチウムで治療した対象者で有意に大きかった(5.51、95%信頼区間0.51-10.50、p=0.03)。
リチウムで治療を行うと、双極性障害の躁症状がより改善するという結果でした。
大人ではその有効性が示されていたリチウム治療ですが、子どもでも有効である可能性が示されました。このような研究結果が積み重ねられ、薬の適用範囲も広がっていきます。
執筆者
参考文献
Lithium in the Acute Treatment of Bipolar I Disorder: A Double-Blind, Placebo-Controlled Study.
Pediatrics. 2015 Nov
[PMID: 26459650]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。