◆妊娠糖尿病で大豆を食べると?
今回の研究では、妊娠糖尿病の患者68人を、大豆を主としたタンパク質を食べる群と対照群に分け、効果を検証しました。
大豆を主としたタンパク質を食べる群では、1日に体重1kgあたり0.8gのタンパク質を食事から摂ることとし、そのうち動物性タンパク質を35%、大豆タンパク質を35%、その他の植物性タンパク質を30%としました。対照群では、動物性タンパク質70%、植物性タンパク質を30%としました。
◆大豆タンパク質を食べると血糖値は改善し、新生児の病気も少ない
以下の結果が得られました。
大豆タンパク質を消費した群と比べて、対照群では、空腹時血糖値(+1.4±11.6 vs -12.7±13.2 mg/dl、P<0.001)、血清インスリン値(+5.0±11.6 vs -0.9±10.0 μ IU/ml、P=0.02)、HOMA-IR(+1.2±2.7 vs -0.8±2.2、P=0.002)が有意に増加し、QUICKI(-0.007±0.02 vs +0.01±0.03、P=0.004)が有意に減少した。
対照群では、新生児の高ビリルビン血症(32.4% vs 8.8%、p=0.01)、入院率(20.6% vs 2.9%、p=0.02)が大豆タンパク質群よりもより高かった。
大豆タンパク質を食べた群のほうが、血糖値などの血液検査値は改善し、新生児の入院も少ないという結果でした。
妊娠糖尿病は妊婦の1割程度の人が経験する病気です。大豆を食べていれば大丈夫ということではなく、主治医と相談し適切な治療を行った上で、このような研究結果を参考にしても良いかもしれません。
執筆者
The effect of soy intake on metabolic profiles of women with gestational diabetes mellitus.
J Clin Endocrinol Metab. 2015 Oct 27
[PMID: 26505826]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。