2015.11.30 | ニュース

妊娠によって糖尿病に…大豆を食べると?

イランの研究チームが68人を分析

from The Journal of clinical endocrinology and metabolism

妊娠によって糖尿病に…大豆を食べると? の写真

妊娠によって血糖値が高くなる妊娠糖尿病は、流産や生まれてくる子どもの低血糖などに繋がる可能性があります。今回の研究では、妊娠糖尿病の血糖値や中性脂肪を改善する食べ物として、大豆の効果を検証しました。

◆妊娠糖尿病で大豆を食べると?

今回の研究では、妊娠糖尿病の患者68人を、大豆を主としたタンパク質を食べる群と対照群に分け、効果を検証しました。

大豆を主としたタンパク質を食べる群では、1日に体重1kgあたり0.8gのタンパク質を食事から摂ることとし、そのうち動物性タンパク質を35%、大豆タンパク質を35%、その他の植物性タンパク質を30%としました。対照群では、動物性タンパク質70%、植物性タンパク質を30%としました。

 

◆大豆タンパク質を食べると血糖値は改善し、新生児の病気も少ない

以下の結果が得られました。

大豆タンパク質を消費した群と比べて、対照群では、空腹時血糖値(+1.4±11.6 vs -12.7±13.2 mg/dl、P<0.001)、血清インスリン値(+5.0±11.6 vs -0.9±10.0 μ IU/ml、P=0.02)、HOMA-IR(+1.2±2.7 vs -0.8±2.2、P=0.002)が有意に増加し、QUICKI(-0.007±0.02 vs +0.01±0.03、P=0.004)が有意に減少した。

対照群では、新生児の高ビリルビン血症(32.4% vs 8.8%、p=0.01)、入院率(20.6% vs 2.9%、p=0.02)が大豆タンパク質群よりもより高かった。

大豆タンパク質を食べた群のほうが、血糖値などの血液検査値は改善し、新生児の入院も少ないという結果でした。

 

妊娠糖尿病は妊婦の1割程度の人が経験する病気です。大豆を食べていれば大丈夫ということではなく、主治医と相談し適切な治療を行った上で、このような研究結果を参考にしても良いかもしれません。

執筆者

Shuhei Fujimoto

参考文献

The effect of soy intake on metabolic profiles of women with gestational diabetes mellitus.

J Clin Endocrinol Metab. 2015 Oct 27

[PMID: 26505826]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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