◆肥満のある人148人で比較
この研究では、肥満があり糖尿病や心筋梗塞などの病気はない成人148人が対象となりました。対象者はランダムに、低炭水化物食のグループと低脂肪食のグループに分けられ、12か月の食事療法を行うことで、体重やその他の変化を観察されました。
◆体重、アディポネクチン、ICAM-1に変化
12か月の時点で、低脂肪食のグループでは体重が平均1.8kg減少しましたが、低炭水化物食のグループでは平均5.3kg減少と、減少量が大きくなっていました。
加えて、詳しい検査で以下の結果が得られました。
12か月時点で、低炭水化物食群の参加者は、低脂肪食群に比べてアディポネクチンの増加量が有意に大きく(変化量の平均差1,336ng/ml、95%信頼区間342-2,330、P=0.009)、ICAM-1の濃度減少が有意に大きかった(-16.8ng/ml、-32.0から-1.6、P=0.031)。
低炭水化物食のグループで、動脈硬化を抑えるとされるアディポネクチンが増加し、炎症反応に関わるとされるICAM-1が減少する変化が見られました。
研究班は「結論として、肥満のある人において、低炭水化物食は標準的低脂肪食に比べて、食事による体重変化の差にかかわらず、炎症の改善[...]に対して同様またはより大きい効果を現した」と述べています。
低炭水化物食の効果について、多くの研究があります。体重などの変化と物質の関係を含めて検討することで、より効果的な治療に結び付くかもしれません。
執筆者
The Effects of a Low-Carbohydrate Diet vs. a Low-Fat Diet on Novel Cardiovascular Risk Factors: A Randomized Controlled Trial.
Nutrients. 2015 Sep 17
[PMID: 26393645]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。