◆外気温と下痢症が関連する?
下痢症を引き起こす細菌として、大腸菌、サルモネラ、カンピロバクター、ウイルスとしてロタウイルス、アデノウイルスなどが知られています。
今回の研究では、過去の26の研究をまとめ、外気温と下痢症の関連性を検証しました。
◆外気温と下痢症の発生率は関連している
以下の結果が得られました。
外気温とすべての原因による下痢症(発生率比1.07、95%信頼区間1.03-1.10)、細菌性下痢症(発生率比1.07、95%信頼区間1.04-1.10)は正の関連性が認められたが、ウイルス性の下痢症とは関連しなかった(発生率比0.96、95%信頼区間0.82-1.11)。
気温が高い場合、下痢症全体、特に細菌が原因の下痢症の発生が大きくなるという結果でした。ウイルスが原因の下痢症とは関連が見られませんでした。
外気温の変化と下痢症に関連があるという研究でしたが、その関連性は非常に小さいという結果でした。最近、世界の気候変化が話題になることが多いですが、このような影響も少なからずあるのかもしれません。
執筆者
A systematic review and meta-analysis of ambient temperature and diarrhoeal diseases.
Int J Epidemiol. 2015 Nov 13
[PMID: 26567313]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。