2015.11.29 | ニュース

地球温暖化は下痢症を増やすか?

過去の26の研究からデータ解析

from International journal of epidemiology

地球温暖化は下痢症を増やすか?の写真

下痢は脱水や栄養の吸収に異常をきたすため、最悪の場合には死に至ることもあります。今回の研究では、下痢症の発生と外気温との関連性を検証しました。

◆外気温と下痢症が関連する?

下痢症を引き起こす細菌として、大腸菌、サルモネラ、カンピロバクター、ウイルスとしてロタウイルス、アデノウイルスなどが知られています。

今回の研究では、過去の26の研究をまとめ、外気温と下痢症の関連性を検証しました。

 

◆外気温と下痢症の発生率は関連している

以下の結果が得られました。

外気温とすべての原因による下痢症(発生率比1.07、95%信頼区間1.03-1.10)、細菌性下痢症(発生率比1.07、95%信頼区間1.04-1.10)は正の関連性が認められたが、ウイルス性の下痢症とは関連しなかった(発生率比0.96、95%信頼区間0.82-1.11)。

気温が高い場合、下痢症全体、特に細菌が原因の下痢症の発生が大きくなるという結果でした。ウイルスが原因の下痢症とは関連が見られませんでした。

 

外気温の変化と下痢症に関連があるという研究でしたが、その関連性は非常に小さいという結果でした。最近、世界の気候変化が話題になることが多いですが、このような影響も少なからずあるのかもしれません。

執筆者

Shuhei Fujimoto

参考文献

A systematic review and meta-analysis of ambient temperature and diarrhoeal diseases.

Int J Epidemiol. 2015 Nov 13

[PMID: 26567313]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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