2015.11.28 | ニュース

ロコモティブシンドロームの人の骨には何が起こっているか

日本の研究チームが287人を分析

from Journal of orthopaedic science : official journal of the Japanese Orthopaedic Association

ロコモティブシンドロームの人の骨には何が起こっているか の写真

ロコモティブシンドローム(ロコモ)は、筋肉や骨が弱くなり日常生活がうまく送れなくなる危険性が高い状態のことを言います。今回の研究では、ロコモの人では身体にどんな特徴が現れているか調査しました。

◆ロコモティブシンドロームではどんな特徴が?

今回の研究では、287人の対象者のうちでロコモティブシンドロームと診断された人とそうではない人を比較し、どのような特徴が見られるか検証しました。

 

◆ロコモティブシンドロームの人は骨密度が低く、関節の痛みが強い?

以下の結果が得られました。

超音波伝播速度の%若年平均(%YAM)は、運動機能不全ではない244人と比べて、GLFS-25で同定された運動機能不全がある43人では、有意に低かった(p<0.001)。

さらに、腰痛(p<0.01)、肩の痛み(p<0.05)、膝の痛み(p<0.001)は、 運動機能不全ではない244人と比べて、GLFS-25で同定された運動機能不全がある43人で有意に多かった。

ロコモティブシンドロームの人は、そうではない人よりも、骨密度が小さく、関節の痛みが強いという結果でした。

 

日本で提唱されている「ロコモティブシンドローム」ですが、骨密度や関節の痛みと関連しているのかもしれません。今回の研究結果には、様々な背景が関わっている可能性があるため、今後はそれらも含めた検証が求められます。

執筆者

Shuhei Fujimoto

参考文献

Population-based study of the association of osteoporosis and chronic musculoskeletal pain and locomotive syndrome: the Katashina study.

J Orthop Sci. 2015 Sep 7

[PMID: 26345242]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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