◆出産直前に感染した母親とその子を調査
この研究は、出産直前の8日以内にインフルエンザの感染を診断された母親と、そのとき産まれた子どもの42組を対象に行われました。出産前後の経過と、およそ1か月後までに子どもにインフルエンザを疑わせる様子が見られたかどうかが調べられました。
◆1か月後まで感染なし
次の結果が得られました。
症状の発生時期の中央値は出産の3日前であり、診断時期の中央値は出産の1日前だった。42人の新生児は中央値で妊娠39週の出産だった。35週よりも前に産まれた子はいなかった。乳児の95%は母子同室とされた。乳児の95%でフォローアップの情報は1か月まで入手できた。フォローアップ期間を通じて、インフルエンザを示唆する病的所見がある子はいなかった。
対象となった親子のうち95%が母子同室でケアを受けていました。1か月後までの情報が得られた親子の中で、子どもにインフルエンザと疑わしい症状などが見られた例はありませんでした。
一般に、母子同室によって母親から子どもに感染が起こる危険性は小さいと考えられています。インフルエンザも心配しすぎることはないのかもしれません。
執筆者
Prevention of mother-to-infant transmission of influenza during the postpartum period.
Am J Perinatol. 2013 Mar
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