2015.11.21 | ニュース

前置胎盤で緊急帝王切開が必要になりやすいのはどんなとき?

250人のデータをもとにスコアで評価

from European journal of obstetrics, gynecology, and reproductive biology

前置胎盤で緊急帝王切開が必要になりやすいのはどんなとき?の写真

前置胎盤は、胎盤が子宮の出口にかかっているなど、正常よりも低い位置にある状態です。突然の出血を起こすなどの危険性があり、対処のため緊急帝王切開が必要になることがあります。経過から緊急帝王切開を予測する研究が行われました。

◆緊急帝王切開を経過から予測

この研究は、参加施設で妊娠20週から出産予定日までの間に性器出血と前置胎盤が見られた女性250人を対象としました。出産までの経過のうちで見られた出来事と、緊急帝王切開が必要とされたかどうかの関連を調べることによって、緊急帝王切開を予測する要因を探しました。

 

◆4項目のスコアで予測

統計解析の結果、次の4項目から成るスコアが作られました。

  • 全前置胎盤または部分前置胎盤:4点
  • 分娩前の出血が3回以上:3点
  • 妊娠29週より前の出血:3点
  • 中等度から重度の分娩前の出血:1点

これらの合計が6点以上のとき、解析に使った以外の集団に当てはめて緊急帝王切開を予測すると、実際に緊急帝王切開が必要になったケースの95%を言い当てるとともに、緊急帝王切開が必要にならなかったケースの62%では正しく不要の予測ができていました。

 

信頼度の高い予測ができれば、人手や設備に限りがある状況でも、緊急事態に備えた体制を調える役に立つかもしれません。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

A score to predict the risk of emergency caesarean delivery in women with antepartum bleeding and placenta praevia.

Eur J Obstet Gynecol Reprod Biol. 2015 Oct 28 [Epub ahead of print]

[PMID: 26550944]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

▲ ページトップに戻る