子どもの脳卒中、ワクチンで予防

脳卒中は高齢者だけの病気ではなく、わずかながら子どもにも起こります。データの解析から、子どもの脳卒中は感染症に続いて起こる場合が多く、ワクチン接種をしたときに少ないことが報告されました。
◆18歳以下の脳卒中患者のデータを解析
研究班は、生後29日から18歳までで動脈
◆感染症で増加、ワクチンで減少
次の結果が得られました。
脳卒中の直前1週間または、対照群においては聞き取り調査日の直前1週間において、感染症は症例の18%、対照の3%について報告され、動脈虚血性脳卒中のリスクは6.3倍と計算された(P<0.0001)。
上気道 感染症が最も多く見られた。すべての、またはほとんどのワクチンを接種した子どもに比べて、ルーチンのワクチン接種をいくらか、または少し受けた、またはひとつも受けていない子どもは脳卒中のリスクが高かった(オッズ比7.3、P=0.0002)。
脳卒中と診断される直前1週間には、脳卒中のない子どもに比べて、上気道感染症(かぜ)などの感染症が起こっていた場合が多いと見られました。また、ワクチンのうち一部しか接種していない子どもでは、ほぼすべてのワクチン接種を受けた子どもよりも脳卒中が多いと見られました。
研究班は「[...]多くある感染症の広がりを減らす努力は、子どもの脳卒中を予防することの助けになりうる」と結論しています。
感染症がきっかけで脳卒中が起こりうるとしても、全体の中ではごくわずかと考えられますが、ワクチン接種によって違いがあるとすれば、ワクチンの効果の一面として考えてもよいのかもしれません。
執筆者
Infection, vaccination, and childhood arterial ischemic stroke: Results of the VIPS study.
Neurology. 2015 Oct 27
[PMID: 26423434]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。