◆有酸素運動を行う群と従来の理学療法を行う群にランダムに振り分け
複合性局所疼痛症候群(CRPS)は、多彩な痛みの症状が合わさって現れる状態です。交感神経の過剰な興奮が原因であると言われています。従来は、肩手症候群(CRPSタイプ1)、カウザルギー(CRPSタイプ2)と呼称されていました。
今回の研究では、脳卒中の発症6ヶ月後にCRPSタイプ1の診断を受けた患者52人を、有酸素運動を行う群と従来の理学療法を行う群の2群にランダムに分けました。
有酸素運動を行う群では、手でエルゴメーター(手で漕ぐ自転車)と従来の理学療法を組み合わせて行い、4週間後の効果を検証しました。
◆有酸素運動を行うと痛みがより改善
以下の結果が得られました。
UEAE群では、患者が痛みの有意な改善(89.9%)とCRPSの徴候と症状の有意な減少を報告した。
群間の肩、手の痛み、NHP、BDSスコアの平均変化量が統計的に有意であった(p<0.05)。
有酸素運動を行うと、CRPSの痛みやうつ症状が改善するという結果でした。
脳卒中後のCRPSに対するリハビリテーション手法の効果について、様々な報告がされていますが、まだ確立されていない状況です。このような研究を元に、原因のさらなる解明と治療法の確立につながるかもしれません。
執筆者
The effect of upper-extremity aerobic exercise on complex regional pain syndrome type I: a randomized controlled study on subacute stroke.
Top Stroke Rehabil. 2015 Aug
[PMID: 25943440]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。