日本発のインフルエンザ薬がアフリカのウイルス感染症に?ファビピラビルのラッサ熱に対する効果

ファビピラビルは日本で開発され、インフルエンザの治療薬として承認されていますが、ほかのウイルスに対する効果も期待されています。ウイルス性出血熱を起こすことで知られるラッサウイルスの感染を治療する研究が行われました。
◆モルモットのラッサウイルス感染を治療
ファビピラビルは
ラッサ熱はアフリカ大陸西部に流行があるウイルス性出血熱で、年間数十万人が感染し、治療しなければ致死率は90%とも言われます。
研究班は、実験用のモルモットに感染するように改変したラッサウイルスを使い、致死量のラッサウイルスを感染させたモルモットをファビピラビルで治療した場合、リバビリンで治療した場合、偽薬を与えた場合で、生存などの結果に違いがあるかを調べました。
◆すべてのモルモットが生存
実験の結果、偽薬を与えたモルモットはラッサウイルスに感染してから13日後までにすべて死亡するか、重症のため安楽死させられました。
リバビリンで16日後まで治療したモルモットは、治療中は発熱が抑えられましたが、治療終了後に発熱したものが多く、29日後までにすべて死亡するか安楽死させられました。
ファビピラビルを1日あたり300mg/kg使って治療したモルモットは、すべて42日後の実験終了まで生存しました。
動物実験の結果が実際の患者にも当てはまるとは限りませんが、ラッサウイルスに対するファビピラビルの効果を示唆する結果が得られました。
ファビピラビルはほかにもエボラ出血熱の治療に使う試みなどがあります。致命的な
執筆者
The broad-spectrum antiviral favipiravir protects guinea pigs from lethal Lassa virus infection post-disease onset.
Sci Rep. 2015 Oct 12
[PMID: 26456301]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。