アルツハイマー病患者の介護は配偶者のほうがストレスが大きい
アルツハイマー病患者の介護は負担が非常に重く、「介護うつ」とも言われるうつ症状が知られています。今回の研究では、介護者を3年間追跡調査し、その特徴を検証しました。
◆アルツハイマー病の介護者のストレスを検証
今回の研究では、アルツハイマー病患者の介護者である236人を対象に3年間の追跡調査を行いました。調査内容は、ストレスやうつ
◆介護者のうち配偶者はよりストレスを感じやすい
以下の結果が得られました。
36ヶ月の追跡調査後、配偶者の介護者のGHQは、非配偶者の介護者よりも
有意 に高かった(p<.001)。GHQスコアの差は、ベースラインのうつ症状と関連し(p<.001)、観察期間を通して、うつ症状がある配偶者の介護者は非配偶者の介護者よりも、より重い苦痛があった。
介護者のうち、配偶者の介護をしている人の方が、配偶者でない患者を介護している人よりもストレスを感じているという結果でした。
配偶者がアルツハイマー病で介護が必要になることは多いと思われますが、そこにはストレスを感じやすい要素があるのかもしれません。介護者に対するケアについても研究が行われています。老老介護や介護うつといった社会問題を解決するためにも、このような研究からその対策が考えられることを願います。
執筆者
Depressed Spousal Caregivers Have Psychological Stress Unrelated to the Progression of Alzheimer Disease: A 3-Year Follow-Up Report, Kuopio ALSOVA Study.
J Geriatr Psychiatry Neurol. 2015 Aug 6
[PMID: 26251107]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。