◆糖尿病性ニューロパチーの痛みに対する脊髄神経刺激の効果を検証
今回の研究は、重度の痛みを伴う糖尿病性ニューロパチーの患者36人を、脊髄神経刺激と通常の治療のどちらも行う群と通常の治療のみを行う群の2群に分けました。
脊髄神経刺激は、ペースメーカーに似た機械を埋め込むことで脊髄に弱い電気信号を送り、痛みが伝わるのを防ぐ治療法です。事前の試験刺激で治療効果がありそうな人に対してのみ、機械を埋め込みました。
◆脊髄神経刺激を行うと痛みが改善
以下の結果が得られました。
治療は、脊髄神経刺激群のうち59%、最良の治療群のうち7%で成功した(p<0.01)。
日中および夜間の痛みの改善は、脊髄神経刺激群で日中41%、夜間36%、最良の治療群で日中0%、夜間7%で成功した(p<0.05)。
脊髄神経刺激を行った患者のひとりが、硬膜下血腫で死亡した。
脊髄神経刺激を行った患者の59%で治療が成功し、より痛みの改善に有効であるという結果でした。一方、脊髄神経刺激を行った患者のうちひとりが死亡しました。
糖尿病性ニューロパチーの新たな治療法として有効である可能性が示された一方で、死亡した例もいたため、今後に生かすためには安全性が心配になります。
執筆者
Spinal cord stimulation and pain relief in painful diabetic peripheral neuropathy: a prospective two-center randomized controlled trial.
Diabetes Care. 2014 Nov
[PMID: 25216508]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。