慢性静脈不全にリンパマッサージが有効

慢性静脈不全は、静脈の損傷などによって脚のむくみや皮膚の異常などが起きる病気です。今回の研究は、慢性静脈不全の患者に対し、リンパ液の流れをよくすると言われている徒手的ドレナージを行い、その効果を検証しました。
◆徒手的リンパドレナージ術を行う群と対照群にランダムに振り分け
徒手的リンパ
◆徒手的リンパドレナージを行うと痛みや浮腫、疲労感などが改善
以下の結果が得られました。
健康関連
QOL の痛み(F2,78=3.507; P=.035; partial η2=.087)、臨床的重症度(F2,78=5.231; P=.007; partial η2=.118)、中でも静脈浮腫 の臨床的重症度(VCSSで評価)、疲労感(F1.67,65.21=4.690; P=.012; partial η2=.107)、重さ(F1.57,61.32=9.702; P=.001; partial η2=.199)において、群と時間の有意 な相互作用が見られ、実験群はそれらすべてのアウトカムにおいて、t0からt1、t0からt2で改善していた。
徒手的リンパドレナージを行うと、脚の痛みやむくみ、疲労感、重だるさが改善したという結果でした。
静脈の障害によって起こることがある慢性静脈不全は、それだけで歩くのが大変になったり、日常生活に影響する病気です。治療法は圧迫療法などいくつか報告されていますが、そのような方法も加味しながら、より適切な治療がされることが望まれます。
執筆者
Influence of manual lymphatic drainage on health-related quality of life and symptoms of chronic venous insufficiency: a randomized controlled trial.
Arch Phys Med Rehabil. 2015 Feb
[PMID: 25308883]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。