◆徒手的リンパドレナージ術を行う群と対照群にランダムに振り分け
徒手的リンパドレナージは、リンパ液の流れに注目し、手で体を圧迫することでむくみなどを改善する手技です。
慢性静脈不全の患者41人を、徒手的リンパドレナージを行う群と対照群にランダムに分けました。徒手的リンパドレナージは、脚に対して4週間10セッション実施しました。
◆徒手的リンパドレナージを行うと痛みや浮腫、疲労感などが改善
以下の結果が得られました。
健康関連QOLの痛み(F2,78=3.507; P=.035; partial η2=.087)、臨床的重症度(F2,78=5.231; P=.007; partial η2=.118)、中でも静脈浮腫の臨床的重症度(VCSSで評価)、疲労感(F1.67,65.21=4.690; P=.012; partial η2=.107)、重さ(F1.57,61.32=9.702; P=.001; partial η2=.199)において、群と時間の有意な相互作用が見られ、実験群はそれらすべてのアウトカムにおいて、t0からt1、t0からt2で改善していた。
徒手的リンパドレナージを行うと、脚の痛みやむくみ、疲労感、重だるさが改善したという結果でした。
静脈の障害によって起こることがある慢性静脈不全は、それだけで歩くのが大変になったり、日常生活に影響する病気です。治療法は圧迫療法などいくつか報告されていますが、そのような方法も加味しながら、より適切な治療がされることが望まれます。
執筆者
Influence of manual lymphatic drainage on health-related quality of life and symptoms of chronic venous insufficiency: a randomized controlled trial.
Arch Phys Med Rehabil. 2015 Feb
[PMID: 25308883]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。